2016 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌放射線療法後の有害事象の体系化:正常組織障害予測モデルを用いて
Project/Area Number |
15K19808
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
森本 将裕 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00745359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 開口障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌放射線療法後の有害事象の体系化を進める過程で、専用の開口測定器を用いて、放射線療法前と放射線療法後の定期的な開口測定の結果を自施設で行っている。頭頸部癌26例に対して、照射前の開口径の平均値は48mmに対して、放射線療法後6か月の開口径の平均値は41㎜であった。平均値は低下しており、中には参照文献でしばしば引用される35㎜を下回るものもあった。今後は、3次元治療計画CTにおいて、開口障害にかかわると予想される、筋肉や関節のコンツールを行い、線量体積曲線を描出して、線量因子と臨床因子を用いて多変量解析を行い、開口障害に関係する臨床因子、線量因子を割り出して頭頸部癌放射線療法後の開口障害の発生予測モデルを作成する予定である。学会発表、論文作成も進めていく予定である。また、症例数は集まってきてはいるが、他病院との連携を進めて、症例数の増加に努める予定である。他施設のデータでは、頭頚部癌放射療法後に、132例中で30例が開口系が35㎜を下回っており、自施設のデータより開口障害が深刻である印象を受けている。施設間の差異なども検討していくことができればと考えている。他施設データでは、放射線治療前の開口径と対側の顎関節の平均線量が開口障害の発生に関与する可能性がでてきている。症例の集積を引き続き、積極的にすすめて、重要因子の割り出しの精度をさらに高めていく予定である。国内の他施設にも、協力を依頼していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自施設の症例の集積がある程度進んできて、解析も進んできている。他施設との連携も検討できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
自施設の頭頸部癌放射線療法後の開口障害の研究結果の解析と他施設データの解析をすすめていく。学会発表や論文作成の準備をすすめていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、次年度に必要な物品購入のためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究に必要な物品を購入していく予定である。
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Research Products
(2 results)