2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19845
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
五味淵 俊仁 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (90597668)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 心移植 / OGG1 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまでにマウス心移植モデルを用いた実験で、炎症反応が急性拒絶反応に関与していることを報告している。炎症性サイトカインは虚血再灌流障害や、同種免疫反応に関与しているが、今回は虚血再灌流障害に着目し、8-oxoguanine DNA glycosylase(OGG1)と拒絶反応について解明することとした。臓器虚血の過程でreactive oxygen species(ROS)が生成され、塩基などを損傷し、臓器障害が惹起する。この損傷されたDNAを除去修復するのがOGG1である。 OGG1ノックアウトマウスを用いた異所性マウス心移植モデルを用いてOGG1の拒絶反応に対する作用機序を究明する。
本年度は、6週から8週の雄のOGG1ノックアウトマウス(C57BL/6 (H-2b)バックグランド)をドナー、BALB/c (H-2d)マウスをレシピエントに用い、腹部への異所性心移植モデルを作成した。 また、コントロール群として、C57BL/6 (H-2b)マウスをドナー、BALB/c (H-2d)マウスをレシピエントとしたMHC フルミスマッチモデルを作成するした。更にコントロール群のドナーに術前よりOGG1を投与したOGG1投与群を作成し、生着率を比較検討した。 このコントロール群においては、移植後6日から10日で移植心は拒絶されるので、移植後5日に犠牲死させ移植心と脾臓を摘出する。摘出した移植心は、2分割しパラフィン包埋標本、凍結標本とした。HE染色にて炎症細胞浸潤や心筋傷害の程度を観察し、Rejection Score(を用いて比較検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル作成技術の取得とその確立に時間を要した。しかし、現在では、モデル作成成功率は90%と上昇しており、この問題は解決できたと考えている。 そのため、今後当初計画していた組織学的比較、免疫組織学的検討、RT-PCRについては今年度行っていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は昨年度行うことができなかった急性拒絶反応におけるOGG1の関与について勧める。 具体的には、 モデル作成および生着率の比較、 組織学的比較、 免疫組織学的検討、 RT-PCRを行っていく。 その後慢性拒絶反応モデルにおけるOGG1の関与についても同様に解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
モデル作成の技術確立に時間を要し、予定した動物実験を行うことができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度行えなかった動物実験を来年度に振り替えて行いつつ、来年度実施予定分の実験も併せて行うにあたり、次年度使用額はH28年度請求額と合わせ使用予定である。
|