2016 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍促進マクロファージの抑制を介した抗腫瘍T細胞活性化による膵・胆道癌治療
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15K19866
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三浦 卓也 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30722136)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TLR9 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵胆道癌患者からの腫瘍促進マクロファージ単離ができず、実験計画の再検討を余儀なくされた。当初検討していたCpG-siRNAの治療応用を鑑みたとき、腫瘍細胞および腫瘍微小環境間質細胞のTLR9発現とその相互作用が重要である観点から、研究計画を再度検討した。TLR9の刺激はInsulin-like growth factor、Nuclear factor-kappa Bといった転写因子が介在し、免疫担当細胞において様々なサイトカインを誘導することが知られているが、癌細胞においての誘導は未だよくわかっていない。そこで、腫瘍増殖や腫瘍微小環境形成にかかわることが予想されるEpidermal Growth factor、Vascular endothelial Growth Factor、Interleukin-6、Interleukin-8、Interleukin-10、Chemokine ligand 2、Chemokine ligand 5、Chemokine ligand 22、Insulin-like growth factor-1でTLR-9を介したCpGによる癌細胞の増殖および周囲環境への影響を観察した。TLR9の発現を確認した癌細胞株に対してTLR9 agonistであるCpG-ODN(ClassB)を投与した。CpG-ODN添加を24時間固定とした濃度変化(2.5, 5, 10, 25μg/ml)および10μg/mlの濃度固定とした時間変化(2,3,8,16,24時間)で癌細胞における各遺伝子発現の変化をRT-PCRで観察した。結果はいずれも有意な遺伝子発現変化が認められず、TLR-9の発現を認めても、癌細胞においてCpG-ODNの作用が必ずしも働くとは言えない可能性が判明した。一方、TLR9発現組織を検討した結果、手術切除組織標本において大腸癌細胞およびその浸潤先進部周囲の間質細胞にTLR9の発現を強く認め、TLR9を介した腫瘍細胞及び間質細胞の関連が示唆された。予後不良な転移病変においても同様な結果が得られた。以上から、今後は実行可能および意義のある実験系として、CpG刺激下大腸癌細胞での遺伝子発現変化および周囲微小環境との相互作用を観察する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
膵胆道癌患者からの腫瘍促進マクロファージ単離ができず、実験計画の再検討を余儀なくされた。さらにはTLR9発現癌細胞株に対するCpG-ODN作用の不安定性が判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
CpG-ODN(ClassB)投与により反応性を示す細胞培養株の種類を検討する。その後間質細胞との共培養を行う。結果に応じて、外科切除標本での免疫病理組織学的検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画の技術的困難による計画再検討の必要性が生じ、当初予定していた支出が延期となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には今後の推進方策を実行するため、再検討した研究計画のもと必要な物品(および旅費)の支出を行う。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Prognostic Impact of CD163+ Macrophages in Tumor Stroma and CD8+ T-Cells in Cancer Cell Nests in Invasive Extrahepatic Bile Duct Cancer2017
Author(s)
Takuya Miura, Tadashi Yoshizawa, Hideaki Hirai, Hiroko Seino, Satoko Morohashi, Yunyan Wu, Taiichi Wakiya, Norihisa Kimura, Daisuke Kudo, Keinosuke Ishido, Yoshikazu Toyoki, Hiroshi Kijima and Kenichi Hakamada
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Journal Title
Anticacner Research
Volume: 37
Pages: 183-190
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant