2015 Fiscal Year Research-status Report
潰瘍性大腸炎術後の回腸嚢炎における内因性抗菌タンパクの病態関与と治療応用の研究
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15K19868
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 和宏 東北大学, 大学病院, 助教 (30569588)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / RELMβ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、Resistin like molecule beta/Found in inflammatory zone 2 (RELMβ/FIZZ2)のin vitroでの抗菌活性の詳細の検討を行った。購入したRELMβ/FIZZ2のリコンビナントタンパクを用いて、Staphylococcus aureus, Escherichia coli, Streptococcus faecalisの3菌株を対象として、寒天培地法(agar spot test)および液体培地法(liquid broth test)を用いて抗菌活性の検討を行った。従来のわれわれの検討では、S.aureusに濃度依存性に抗菌活性を認めていたが、今回の検討ではいずれの菌株に対しても明らかな抗菌活性を認めなくなっていた。RELMβ/FIZZ2はジスルフィド結合によって3量体が2つ結合し6量体を形成する非常に特殊な構造をしており(Pastel et al, Science. 2004)、条件によって抗菌活性が大きく変化することが理由と考えられた。実際、従来の検討において、液体培地法では寒天培地法の1/100の低濃度でRELMβ/FIZZ2の抗菌活性を認めており、抗菌活性を示す至適条件を検討することが必要と考えた。現在、培地を低pHにすることで6量体を単量体にするなどの条件設定を行い、抗菌活性の至適条件を再検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RELMβ/FIZZ2が抗菌活性を示す至適条件を得ることに難渋しており、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでのは、引き続きRELMβ/FIZZ2の抗菌活性の至適条件を得ることを中心におこなっていく。並行して、臨床検体を用いた検討(潰瘍性大腸炎・家族性大腸腺腫症に対する大腸全摘術後の回腸嚢粘膜・便中の内在性抗菌ペプチド、抗菌タンパクの経時的変化の検討)の準備を行っていく。
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