• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

食道癌に対する化学療法感受性および副作用予測におけるABCトランスポーターの意義

Research Project

Project/Area Number 15K19888
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

牧野 知紀  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80528620)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
KeywordsABCトランスポーター / MRP2 / 食道癌 / 化学療法 / 副作用
Outline of Annual Research Achievements

進行食道癌において化学療法の効果を治療前に予測できればテーラーメイド治療が確立できその臨床的意義は計り知れない。化学療法耐性や副作用に密接に関連するとされるATP-biding cassette (ABC) transporterに着目し、これらの食道癌における発現、あるいは食道癌患者の正常組織における遺伝子多型(single nucleotide polymorphism:SNPs)を同定する。これらと化学療法の効果や副作用・予後との関連を明らかにし、その分子メカニズム解明をくわえ最終的に臨床応用しうる化学療法効果および副作用予測システムを確立する。
食道扁平上皮癌切除サンプル・食道癌細胞株における各ABC transporter発現解析を行い、それらと臨床病理学的因子および予後についての相関を検討する。また腫瘍における化学療法前後での各ABC transporter発現変化と化学療法副作用・効果との相関について検討し生体サンプルを用いて内因性の耐性および獲得耐性についての理解を深める。また関連施設のデータベースを用いて日本人の食道扁平上皮癌患者に多くみられるABC transporterのSNPsを同定する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

「食道癌に対する化学療法感受性および副作用予測におけるABCトランスポーターの意義」という研究テーマであるが、平成27年度の計画としては①食道扁平上皮癌切除サンプル・食道癌細胞株における各ABC transporter発現解析と臨床病理学的因子および予後との相関の検討、②腫瘍における化学療法前後での各ABC transporter発現変化と化学療法副作用・効果との相関、③関連施設のデータベースを用いて日本人の食道扁平上皮癌患者に多くみられるABC transporterのSNPsの同定、であったが、現在までの進行状況としては、①は現在進行中でありABCB1(MDR1)、ABCG2(BCRP)、ABCC1-5(MRP1-5)といった代表的なABC transporterについて遺伝子発現は定量的RT-PCR法により、蛋白発現はIHCにより食道癌切除サンプルおよび食道癌細胞株を用いた解析を行っている(ABCC2についてはすでに化学療法後腫瘍サンプルでの発現上昇を確認している)。②に関しては化学療法前後の生検サンプルのサンプリングを現在行っている段階であり、昨年度後半より今年2月まで食道癌新患症例(とくに術前化学療法症例)が減少していたこともありやや時間を要している。このため平成28年度の計画をやや前倒しして食道扁平上皮癌細胞株パネルを用い、ABC transporter発現解析と化学療法耐性との相関の検討を現在行っている。ABC transporterの蛋白発現解析であるが切除サンプルでの発現解析は比較的容易に方法の確立ができたが内視鏡下生検サンプルでの発現解析はサンプルが小さいため抗体の濃度や発色時間などの細かい条件設定が難しく進行の遅延の原因となっている。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度については上記のごとく遅延している化学療法前後での生体サンプルのサンプリングは引き続き継続して行っていく予定である。また同時に日本人の食道扁平上皮癌患者に多くみられるABC transporterのSNPs解析のため治療前血清のサンプリングも同時に行う予定である。もし当科のみでサンプリング状況がよくなければ対策としては、臨床サンプルの採取に関して食道癌の治療前内視鏡生検サンプルや切除標本を関連施設(府立成人病センター:矢野雅彦病副院長、近畿大学外科:安田卓司教授)へ研究協力を依頼する予定である。一方で予算的に厳しい場合にはTaqman assayを用いたGenotypingにより行うSNP解析については今回の研究項目における優先順位を落として研究を進めていくこととする。
また、今年度の研究の遅延の原因のひとつとして研究に携わる人員の問題もあるが、次年度に関しては1人増員となる予定であるので可能なら人員を増やして食道癌細胞株や切除サンプルを用いた化学療法前後での各種ABC transporter発現解析により、とくに化学療法副作用および効果との関係性について明らかにすることを優先して行いたい。その場合何らかの結果がでればその時点で一旦海外および国内の論文・学会等に積極的に発信していく。また、さらにはわかりやすい形(日本語著書やインターネットなど)で日本国民にも発信していく予定である。

Causes of Carryover

食道扁平上皮癌切除サンプル・食道癌細胞株における各ABC transporter発現解析と臨床病理学的因子および予後との相関の検討を行うための物品を購入するため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

食道扁平上皮癌患者に多くみられるABC transporterのSNPs解析のため治療前血清のサンプリングを行うための物品を購入するため。

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi