2015 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞のメモリーB細胞、長寿命型抗体産生細胞に対する制御効果の解析
Project/Area Number |
15K19891
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 潤 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70648617)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 抗体関連拒絶反応 / 多分化能 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) マウス由来間葉系幹細胞の単離とその細胞学的特徴の解析 論文などで公開されている、骨髄細胞(BMCs)から接着細胞のみを培養継代し間葉系幹細胞(MSCs)を分離する手法では安定したMSCsを採取することは困難であった。我々は、フローサイトメトリーを用いC57BL/6マウスのBMCsからPI(-)CD45(-)Ter119(-) gated Sca-1(+)PDGFR-α(+)細胞をsortingし、この細胞群だけを培養継代することにより比較的均一なMSCsが分離されることを明らかにした。抗体を用いた表面マーカーの解析ではc-kit, Sca-1, CD34, CD45, CD11b, H-2Kb, I-Ab, CD86がいずれも陰性、CD29, CD44が陽性であることを確認した。分化誘導実験では、この細胞群が骨細胞、脂肪細胞、軟骨細胞いずれにも分化することを確認した。リンパ球混合試験では、リンパ球単独培養群と比較し、MSCs混合培養群では有意にリンパ球の増殖が抑制されることを確認した。これらの結果は文献で報告されているMSCsの細胞学的特徴と一致していた。 ついで、上記手法により分離培養されたMSCsが、in vitroで成熟B 細胞の末梢分化ならびに機能を抑制するかを追試した (Asari et al. Exp Hematol 2009)。Transwell system を用いてC57BL/6マウス由来成熟B 細胞をLipopolysaccharide 刺激下でMSCs と供培養し、B細胞単独培養群と比較した場合、供培養群で有意にB 細胞の形質細胞分化ならびにIgM抗体産生が抑制されることを示した。
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