2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of target therapy for microsatelite instability colorectal cancer
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15K19892
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Research Institution | Higashihiroshima Medical Center |
Principal Investigator |
下村 学 独立行政法人国立病院機構東広島医療センター(臨床研究部), 診療部, 外科医師 (60457249)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌 / マイクロサテライト |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸上皮特異的にApcがノックアウトされる大腸癌マウスモデル‘CDX2P-G19Cre;Apcflox/flox mouse’を応用し、ApcとTgfbr2が大腸上皮特異的にノックアウトされる‘CDX2P-G19Cre;Apcflox/flox;Tgfbr2flox/flox mouse’を作製した。本モデルはヒト大腸癌におけるマイクロサテライト不安定性大腸癌に類似したマウスモデルと考えた。これら2つのマウスモデルでは近位大腸に高分化腺癌成分を含む多数の腫瘍が発生した。その腫瘍からレーザーマイクロダイセクション法で回収した癌組織のtotal RNAを用い、CDX2P-G19Cre;Apcflox/flox mouseの腫瘍とCDX2P-G19Cre;Apcflox/flox;Tgfbr2flox/flox mouseの腫瘍の遺伝子発現プロファイルを網羅的にマイクロアレイで比較したところ、Tgfbr2 ノックアウトに伴い9.25倍に発現亢進していた遺伝子GSDMCを同定した。さらにGSDMCの大腸癌における発現の意義を解析するために、in vitro/in vivoで機能解析を行った。In vitro / in vivoで大腸癌細胞株を用いてGSDMCをノックダウンすると細胞増殖能、腫瘍形成能は有意に低下し、逆にin vitro でGSDMCを強制発現すると細胞増殖能は有意に上昇した。以上の結果から、大腸上皮特異的にApcとTgfbr2をノックアウトして近位大腸に高分化腺癌を発生させる大腸癌マウスモデルを作製,解析した。GSDMCがTGFBR2変異に伴い発現亢進し、大腸癌において細胞増殖を亢進している癌関連遺伝子であることが示唆された。以上の結果から、GSDMCはマイクロサテライト不安定性大腸癌における治療標的となりうる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)