2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ex-vivo Mitomycin-C pretreatment induced lower immunogenic potential of islets via suppressing secretion of multiple chemotaxis factors.
Project/Area Number |
15K19902
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 直哉 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90622332)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵島移植 / Mitomycin-C / 生着延長 / 免疫抑制 / マイクロアレイ / サイトカイン / 免疫原性低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究では、膵島移植において移植前にDNA複製阻害作用を有するMitomycin-C(MMC)を処置することで得られる膵島グラフトの生着延長メカニズムを解明するために実施した。MMC処置がもたらす膵島の遺伝子発現変化を網羅的に解析し、グラフト生着延長に寄与する生物学的機能変化を探求した。 その結果、分離膵島が分泌するサイトカインやペプチダーゼの分泌に関する遺伝子群の発現がMMC処置により顕著に抑制されていることが明らかとなった。そこで、マイクロアレイで有意に発現が抑制されていた遺伝子群(MCP-3、MMP2、IL-6)に着目し、膵島培養上清中のタンパク質を測定すると遺伝子解析結果と同様に、MMC処置膵島ではそれらのタンパク発現も抑制されていることが明らかとなり、遺伝子解析の妥当性が確認された。 また、膵島培養液に対するマウス単球の遊走能は、MMC処置群において有意に抑制され、非処置膵島培養液に抗MCP-3モノクローナル抗体もしくはMMP阻害剤を用いると単球の遊走能は有意に抑制されたことから、膵島より分泌される免疫細胞遊走因子は免疫抑制のターゲットになりうること示唆された。 膵島分離過程を経た膵島グラフトは、免疫細胞遊走因子を分泌し、宿主免疫応答を惹起するが、移植前培養期間にMMC処置を付加することにより、免疫細胞遊走因子の分泌が抑制され、局所免疫反応の不応答が誘導されることで、免疫抑制剤非使用下においてもグラフトの生着延長がもたらされるものと考えられた。
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