2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19910
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 崇之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40626701)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌肝転移 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト大腸癌細胞株(HCT116)とヒト星細胞(Li90)の共培養下にIL-13を添加し、wound healing assayを行い、HCT116の浸潤能が上昇することを確認した。興味深いことにこのような環境下ではHCT116およびLi90はともに紡錘型へと形態変化しており、癌細胞に対する上皮間葉転換や線維芽細胞の活性化の関与が示唆された。また、MTT assayにおいて、HCT116の増殖能はヒト星細胞やIL13存在下で上昇することがわかった。以上のことより、炎症や線維化が生じているNASHでは、大腸癌細胞株の浸潤能や増殖能が上昇することが示唆された。 SCIDマウスに8週間高脂肪食投与を行うことにより非アルコール性肝線維化モデルマウスを作製することに成功している。肝臓の病理学的形態は、比較的軽度の炎症を背景に中心静脈から始まる線維化の組織像を呈しており、肥満や過栄養から生じる非アルコール性肝線維化モデルとして矛盾しないと考えられた。当研究室では以前よりSCIDマウスに対する脾注肝転移モデルの作製を行っており、すでに肝転移研究に必要な基盤を有しており(Takano, Anticancer Research, 2008)、同法を用いて正常肝と線維化肝の肝転移の違いについて比較を行った。こちらの結果は、現在統計学的処理中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoの結果も出ており、概ね順調の経過と考える。 ヒト大腸癌細胞株(HCT116)とヒト星細胞(Li90)の共培養下にIL-13を添加し、wound healing assayを行い、HCT116の浸潤能が上昇することを確認した。また、MTT assayにおいて、HCT116の増殖能はヒト星細胞やIL13存在下で上昇することがわかった。以上のことより、炎症や線維化が生じているNASHでは、大腸癌細胞株の浸潤能や増殖能が上昇することが示唆された。 SCIDマウスに8週間高脂肪食投与を行うことにより非アルコール性肝線維化モデルマウスを作製することに成功している。肝臓の病理学的形態は、比較的軽度の炎症を背景に中心静脈から始まる線維化の組織像を呈しており、肥満や過栄養から生じる非アルコール性肝線維化モデルとして矛盾しないと考えられた。SCIDマウスに対する脾注肝転移モデルの作製を行い、同法を用いて正常肝と線維化肝の肝転移の違いについて比較を行った。こちらの結果は、現在統計学的処理中である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの実験を進め、in vivoの結果の裏付けを行う。in vivoの検体の組織については病理学教室の医師にも評価を行っていただく予定である。 データが出揃ったところで論文化を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
物品費などで使用した端数として455円が残った。455円では、実験に必要な物品の購入額に満たなかったため、翌年度の助成金と合わせて使用したいと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
in vitroの実験の試薬などに用いることを検討している。
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