2015 Fiscal Year Research-status Report
食道癌における分子標的治療薬の開発を目指したlincRNAの網羅的機能解析
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15K19912
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
赤城 一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (90552662)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PI3K / Akt / miR-141 / PHLPP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は過去の研究においてmiR-141、miR-200b、miR-200c、miR-205の発現が食道扁平上皮癌細胞株において有意に高値であることを明らかにした。さらにPI3K-Akt-mTOR経路を阻害し、かつTargetScanデータベースにおいて前述のmiRNAの標的となる可能性を持つものを選抜した結果、miR-200bおよびmiR-200cの標的候補としてDNA damage-inducible transcript 4 protein(DDIT4)を、miR-141の標的候補としてPH Domain Leucine-Rich Repeat-Containing Protein Phosphatase 2(PHLPP2)を見出した。またDDIT4、PHLPP2の発現が食道扁平上皮癌細胞株上で有意に低下していることも明らかにした。 miRNA強制発現によるDDIT4およびPHLPP2発現への影響を評価するため、正常食道扁平上皮株(Het-1a)にmiRNAを強制発現させ標的候補遺伝子の発現量をRT-PCRにより定量した。Het-1aに対するmiR-141の強制発現によりPHLPP2の発現がmRNA、タンパク質レベルで低下した。この結果がmiR-200bおよびmiR-200cの強制発現によるDDIT4の発現抑制と比べて大きいことから、PHLPP2発現とmiR-141発現との関係に研究対象を絞って詳細に調査することにした。この実験結果の再現性は確認されておりmiR-141がPHLPP2の発現をmRNAレベルとタンパク質レベルの両方で抑制する事が示唆された。さらに、PHLPP2の発現がヒト食道扁平上皮癌組織においても確認できたため、今後はin vitroのみならずin vivoでの実験に発展する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎教室との連携が良好であったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
PHLPP2の発現がヒト食道扁平上皮癌組織においても確認できたため、今後はin vitroのみならずin vivoでの実験に発展させる予定である。
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Causes of Carryover |
物品費を節約できたこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)