2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K19917
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
三吉 範克 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (20528624)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
患者組織由来脂肪幹細胞の抽出とその機能解析、マウスを用いたin vivo 分化誘導
外科手術により皮下組織からより効率的かつ安定的に脂肪組織由来幹細胞を抽出する方法を構築し、現在改良を行っている。具体的には、手術時に皮下組織から脂肪組織を清潔状態で手術機器(クーパー)を用いて切開し、これを切除した。この組織について、生理食塩水で洗浄後、清潔下にミンスを行い、粗大な組織をフィルターで除外した後に、遠心してペレットとして細胞集塊を抽出した。この細胞ついてはFACSで表面マーカー解析を行い、CD34陽性、CD31陰性の集団に加えて、CD34陰性、CD31陰性の集団もとらえることができた。これらの細胞については培養を行い、その形態について確認を行っている。培養細胞は安定的に維持継代することができた。今後はCD34陽性、CD31陰性の細胞集団をより多く抽出できる技術について改良を行い、まら再現性の高い安定したものにすること、抽出した幹細胞についての機能解析を行い、特異的な分化の方向性や系譜について検討を行う。
抽出した脂肪幹細胞についてはFACSで表面マーカー解析(CD31、CD34)を行い、目的の細胞集団(CD34陽性、CD31陰性)をとらえていることが確認できた後、これらの細胞集団を免疫不全マウス(NOD-SCID)を用いてin vivo でも筋肉などの間葉系組織への分化誘導を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、IRBの通過を確認後、同意の得られた症例から組織の抽出が行えている。研究の方法についても概ね計画とおりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪幹細胞の分化誘導と誘導過程における細胞集団の解析(ゲノムワイドな解析・代謝産物の解析、および安定した分化誘導療法の構築) 抽出した脂肪幹細胞を含む細胞集団について、特異的な分化誘導法が開発できれば、より効果的な臨床応用につながる可能性があると考える。 またこの誘導過程においては中間産物として遺伝子、蛋白質、その他の代謝産物に関して解析することができる。この結果は抽出された脂肪幹細胞を細胞系譜に従い分化誘導する際にも重要な基盤となりうると考える。
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Causes of Carryover |
研究試薬については金額が大きく、試薬の使用期限を考慮して、より効率的に利用することを考えたため、翌年度に使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品(PCR、タンパク解析など)、マイクロアレイなどの検査試薬など
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