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2015 Fiscal Year Research-status Report

永久生着を目指した成長ポテンシャルを有する人工心臓弁の開発

Research Project

Project/Area Number 15K19919
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

小澤 秀登  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (50747699)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
KeywordsTissue Engineering / 脱細胞化 / 心臓弁 / 再細胞化 / 自己組織化
Outline of Annual Research Achievements

脱細胞化肺動脈弁グラフトを心移植レシピエント心及びミニブタより採取し、0.5% sodium deoxycholate、0.5% sodium dodecylsufateにて脱細胞化し、組織学的検討および移植手術を行った。免疫抑制剤の投与をしなかった。心臓超音波を行い、肺動脈弁の圧較差・逆流の程度を測定した。最終的に移植心臓弁の組織学的検討した
研究結果:脱細胞化処理後の肺動脈グラフトの構造:肺動脈基部の肉眼的形態は維持されていたが、弁尖・肺動脈壁ともにHaematoxylinにて濃染される核は認められなかった。Collagen I, Elastin, Laminin 2はいずれも形態上維持されており、電子顕微鏡的にもこれら細胞外基質の構造は維持されていた。移植後6ヶ月の肺動脈弁機能:弁尖の動きは良好であり、また弁尖の伸長や超音波輝度の上昇など弁尖の変性を疑わせる変化を認めなかった。弁の圧較差はいずれも8 mmHg未満であり、逆流の程度はいずれも軽度あるいはそれ以下であった。また、ヒトおよびブタ肺動脈グラフトの間に差を認めなかった。グラフトの縫合部は中枢側・末梢側ともに癒合しており、組織が一体化されていた。肺動脈弁尖は肥厚・硬化なく、正常肺動脈弁と肉眼上近似していた。HE染色では、弁尖内に濃染される核を有する細胞を多数認め、また縫合部は豊富な結合組織を有する組織にて置換されていた。電子顕微鏡的には、グラフトの弁尖表層・横断面ともに、正常肺動脈弁と近似していた。免疫組織染色上、CD31陽性細胞が弁尖表面に集積しており、Vimentin陽性細胞が弁尖内部に存在していた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究結果として、脱細胞化処理後の肺動脈グラフトの構造を組織学的に検討し、脱細胞化処理ができていること、及び細胞外マトリックスの構造が維持されていることを確認した。この脱細胞化心臓弁を細胞の再播種を行わずに肺動脈弁位に移植し移植後の弁機能の評価を心臓超音波検査により行い、組織学的な評価を行った。その結果、移植後6ヶ月の肺動脈弁機能評価では、弁尖の動きは良好であり、また弁尖の伸長や超音波輝度の上昇など弁尖の変性を疑わせる変化を認めなかった。弁の圧較差はいずれも8 mmHg未満であり、逆流の程度はいずれも軽度あるいはそれ以下であった。グラフトの縫合部は中枢側・末梢側ともに癒合しており、組織が一体化されていた。肺動脈弁尖は肥厚・硬化なく、正常肺動脈弁と肉眼上近似していた。HE染色では、核を有する細胞を多数認め、また縫合部は豊富な結合組織を有する組織にて置換されていた。また、免疫組織染色上、CD31陽性細胞が弁尖表面に集積しており、Vimentin陽性細胞が弁尖内部に存在していた。
以上の結果から、今回使用している新鮮脱細胞化心臓弁は移植手術(異種移植)による拒絶反応を起こさずに、内腔はレシピエントの細胞による内皮化され、また移植組織内にも線維芽細胞の存在が確認でき、自己組織化に関して評価が可能であった。このことは、新鮮脱細胞化心臓弁が自己組織化し、最終的に成長可能な人工弁のなり得ることをしめしていると考えている。
これらの結果は当初の計画におおむね順調に進展していると考える。今後の計画として、移植組織内での再播種した細胞の活動性とくに成長を考えた、新たな細胞外マトリックスの産生等の評価を行うことが必要と考えており、その次に、大動脈弁位への使用を考慮した新規薬剤を使用した細胞の再播種の促進の検討を予定する。

Strategy for Future Research Activity

これらの結果は当初の計画におおむね順調に進展していると考える。今後の計画として、移植組織内での再播種した細胞の活動性とくに成長を考えた、新たな細胞外マトリックスの産生等の評価を行うことが必要と考えており、その次に、大動脈弁位への使用を考慮した新規薬剤を使用した細胞の再播種の促進の検討を予定する。

Causes of Carryover

実験に必要な消耗品の費用を予定より抑えられたため

Expenditure Plan for Carryover Budget

新たな細胞外マトリックスの産生等の評価を行うための費用等として使用する

  • Research Products

    (3 results)

All 2015

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 自己組織化を目指した新鮮脱細胞化ヒト肺動脈弁の臨床への応用2015

    • Author(s)
      小澤 秀登
    • Organizer
      第53回日本人工臓器学会
    • Place of Presentation
      東京ドームホテル
    • Year and Date
      2015-11-21 – 2015-11-21
  • [Presentation] 新鮮脱細胞心臓弁に対する宿主幹細胞による再細胞化の検討2015

    • Author(s)
      小澤 秀登
    • Organizer
      第51回日本小児循環器学会
    • Place of Presentation
      ホテル日航東京
    • Year and Date
      2015-07-16 – 2015-07-18
  • [Presentation] 新鮮脱細胞化心臓弁を用いた新しい右室流出路再建法の実験的検討2015

    • Author(s)
      小澤 秀登
    • Organizer
      第115回日本外科学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2015-04-16 – 2015-04-18

URL: 

Published: 2017-01-06  

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