2016 Fiscal Year Annual Research Report
A novel method of identifying pulmonary intersegmental planes using intravenous injection of vitamin B2.
Project/Area Number |
15K19932
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
齋藤 大輔 金沢大学, 附属病院, 医員 (50722055)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビタミンB2 / 肺区域切除 / PPD用内視鏡システム / ブラックライト |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の意義】正確な肺区域切除を行うには区域間同定が重要である.一般に含気虚脱ラインや区域間静脈を指標にすることが多い.しかし,含気虚脱ラインは背景肺により確認が困難なことがある.近年赤外光胸腔鏡を用いた経静脈的ICG注入による方法が報告されている.ICGは体内で速やかに代謝されるため蛍光持続時間が10分に満たない.今回光線力学診断用内視鏡システムを用いた水溶性であるビタミンB2を用いた肺区域同定法を発案し,有用性を動物実験にて評価した. 【研究方法】左開胸下に切除対象区域(左前葉前部)の肺動脈を結紮,耳静脈からビタミンB2 200mgを全身投与しPDD用内視鏡システムおよびブラックライトにより観察した.投与後の区域間同定の可否を評価した.また蛍光持続時間,蛍光強度を測定した.その後,描出された区域間を電気メスでマーキングし実際に区域切除を施行し脈管,気管支の損傷や空気漏れの程度により区域間同定の精度を評価した. 【最終年度研究成果】[PDD用内視鏡システム]計6頭においていずれも区域間同定が可能であった.ビタミンB2投与後平均64秒で区域間を認識し得た.いずれも30分以上の蛍光持続時間があり,蛍光領域と非蛍光領域の蛍光強度にも有意な差を認めた.区域切除では胸膜面の切離だけでなく肺実質の切離でも境界が認識可能であった.全例で脈管,気管支の損傷は認めず,2例でわずかな空気漏れを認めたのみであった.[ブラックライト]計6頭においていずれも肉眼的には区域間同定が可能であった.ただ紫外線下では白色光を用いた撮影は困難で画像の撮影に難渋した. 【結論】肺区域同定においてPDD用内視鏡システムを用いたビタミンB2の経静脈的投与による同定法は有用であると考える.今後,ヒトへの応用を進めていく予定である.また,ビタミンB2に特化した光源の開発も検討していく.
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