2015 Fiscal Year Research-status Report
高度な画像認識技術を用いた手術ナビゲーションシステムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
15K19933
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 彰太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20612849)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 外科 / 解剖 / 呼吸器 / ナビゲーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で術中ナビゲーションを実現したい部位は、呼吸器外科手術において特に複雑な解剖学的構造が認められる頸胸移行部や肺動静脈・気管支が複雑に入り組む肺門部である。それらの術中ナビゲーションを実現するため以下の研究項目を実施し、「高度な画像認識技術を用いた手術ナビゲーションシステムの開発と臨床応用」を目指している。そのための予備実験を平成27年度に以下の項目を行ってきた。 【予備実験の概要】ナビゲーションを容易にするため、より可動性の少ない胸壁浸潤肺癌を対象例とした。この症例の三次元像を3Dプリンターで作成し、模擬手術空間を作成した。この空間で実際の手術切除縁と腫瘍との距離をナビゲーションシステムを用いて測定し、実測値とどの程度誤差が生じるかを記録する。その補正をして実臨床での使用に向けて準備をする。 【ナビゲーションシステムの開発】腫瘍と切除縁との距離をリアルタイムに計測・表示・記録するシステムを開発した。 【模擬手術空間の開発と模擬手術】3Dプリンターで作成した胸壁浸潤肺癌の三次元模型とナビゲーションシステムを用いて切除縁と腫瘍との距離をリアルタイムに計測・表示・記録し、実測値とのずれを記録した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮想空間での模擬ナビゲーションは順調に進行しており、数例の追加模擬手術を行ってデータのずれを補正できるようなシステムを開発し、今後実際の臨床で応用するところまで至っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
模擬手術によるナビゲーションの精度向上をあと数例行い、データのずれを補正するシステムの開発を行う。そのシステムの開発により実臨床での使用を行う。すでに当施設での本ナビゲーションシステムの臨床使用について生命倫理審査委員会の承認が得られており、システム開発が終了次第すみやかに実臨床での応用が可能で今年度行う予定である。
|
Causes of Carryover |
仮想手術のとりまとめ後、臨床応用で使用の予定であった機材の購入が次年度にずれ込んだため 、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のとおり、まずは仮想手術での結果のとりまとめを行い、翌年の臨床応用に向けて準備は整いつつあるので翌年度分として請求した助成金と合わせて主に臨床応用に必要な機材購入と学術発表・論文化に向けて使用する計画である。
|