2015 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における上皮間葉系移行に関連するマイクロRNAに着目した薬剤耐性機構の解明
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15K19935
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺癌 / マイクロRNA / 上皮間葉系移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、肺癌細胞株でのEMTと薬剤耐性に関与するmiRとして、既に候補であるmiR-200の解析を中心に行った。まず、元々miR-200の発現が乏しい肺癌細胞株でmiR-200を誘導すると細胞増殖が抑制された。また、EGFR変異陽性肺癌細胞株から作成したgefitinib耐性肺癌細胞株(EMTの特徴を示し、miR-200発現が抑制されている)において、miR-200を誘導すると同様に細胞増殖が抑制され、EMTが解除された。さらに網羅的解析の結果、親株と耐性株を比較すると、耐性株においてはLIN28B遺伝子の発現が上昇していることが示された。LIN28Bは腫瘍原性癌幹細胞因子(oncogenic cancer-stem cell factor)としても知られている。現在、細胞増殖や薬剤耐性におけるLIN28B遺伝子の意義について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EMTと薬剤耐性に関与すると思われるmiR-200について検討を進めた結果、miR-200の導入によって細胞増殖抑制やEMT解除といった現象が認められたため、一定の成果が挙げられている。また、耐性株においては親株と比較してLIN28B遺伝子の発現が上昇していることが示された。以上より、研究は概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はLIN28B遺伝子の薬剤耐性とEMTにおける意義について検討を進めるとともに、薬剤耐性とEMTに関与する他のmiRの同定・解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品購入において、一部当初の見込みよりも少額で購入できたものがあったため1,960円の余剰が生じたが、新たに物品を購入出来る程の金額ではなかったために年度内の使用は不可能であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越して物品購入に充当する。
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