2015 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞シートを利用した分泌因子のパラクライン効果による術後肺再生への挑戦
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15K19940
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 順一 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10725683)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 術後肺再生 / 間葉系幹細胞シート / パラクライン効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では肺切除後の代償性肺成長に注目した呼吸機能改善を伴う肺再生のメカニズム解明を目的とし、間葉系幹細胞シート分泌因子のパラクライン効果を利用した術後肺再生療法の可能性を探ることが目的である。 臨床研究では呼吸機能改善を伴う代償性肺成長を認めた肺における肺再生因子を測定し、臨床データ(年齢、性別、喫煙歴、併存疾患、肺容積、呼吸機能など)との相関を調べた。術後肺再生の規定因子として女性、非喫煙者(喫煙歴なし)、肺容積が小さい、努力性肺活量が小さい、肺組織密度が大きいことが挙げられた。この結果は手術をする際に術前における術後呼吸機能の予測に大きく寄与するものである。 マウスの間葉系幹細胞シートの作成を試みたが、1体のマウスから採取できる間葉系幹細胞の数が少なく、また分離した間葉系幹細胞の増殖が遅いため、シート作成にはいたらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスによる動物実験が遅れている。1体のマウスから採取できる間葉系幹細胞の数が少なく、また分離した間葉系幹細胞の増殖が遅いため、シート作成には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験をマウスではなく、ラットまたはラビットで施行している。ラビットでは間葉系幹細胞を多く採取することができ、またその増殖も良好なため、シートの作成に成功している。
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Causes of Carryover |
マウスでの間葉系幹細胞シートの作成がうまくいかなかったため、細胞シートから分泌される肺再生因子の測定と新規肺再生関連因子の同定の検査ができなかっため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ラビットでの細胞シート作成ができているため、ラビット間葉系幹細胞シートの培養液中のHGF、KGF、EGF、FGFなどをELISA法で測定する。さらに細胞シートのライセートから各mRNAをRT-PCR法で測定する。必要に応じて抗体アレイ解析を行う予定である。
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