2015 Fiscal Year Research-status Report
ラットを用いた開胸癒着モデルでの低用量アスピリンによる胸膜癒着抑制の機序の解明
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15K19943
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
石原 駿太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60751279)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癒着抑制 / アスピリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はラットを用いてアスピリンの胸膜癒着抑制効果を検討する事を目的とする。初年度では、ラットの開胸癒着モデルの作成を目標とした。ラットの系統種や、週齢を検討した結果、10週齢の雄SDラットを用いる事とした。全身麻酔、気管内挿管にて手術を行い、癒着誘発の処置を行った。癒着誘発の方法としては、過去の報告にもある壁側胸膜を綿棒で擦過する方法や、胸腔内への血液注入など、幾つかを検証した結果、臓側胸膜の焼灼を選択した。この方法では、処置を行った部位に一致し、胸膜の癒着が形成されるため、定量的に評価を行う事ができた。左第4肋間を目標にして20mmの開胸を行い、開胸直下の臓側胸膜に電池焼灼器(Bovie セントメディカル社)にて10mm×5mmの範囲を30秒間焼灼した。処置を行った日から14日後に再開胸し、処置を行った距離と同程度の範囲に癒着が成立していることを確認した。また、第2肋間から第7肋間の胸壁と左肺を一括して摘出し、癒着部分の組織学的な評価を行った。癒着部分には、好中球やマクロファージなどの炎症細胞、線維芽細胞の浸潤が確認できた。今後、このラット胸膜癒着モデルを用いて、アスピリン内服による胸膜癒着抑制効果があるかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、ラットによる胸膜癒着モデルを作成することができた。今後、このモデルを用いて、アスピリン内服の抑制効果を確認することとする。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット胸膜癒着モデルを用いて、癒着処置後にアスピリン内服、コントロール群に振り分け、再開胸時を行い癒着の距離を測定し、両群を比較検討する。アスピリン内服による癒着抑制効果の有無を検討する。また、摘出した組織をHE染色、免疫染色などで組織学的に評価する予定である。
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Causes of Carryover |
実験が順調に進行したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験が必要になった際の補助資金として使用する予定。
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