2015 Fiscal Year Research-status Report
PDXを用いたHOTAIRを標的とした肺癌治療法有効性の検証
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15K19946
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
中川 隆行 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 共同研究員 (10626261)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺癌 / PDX / HOTAIR |
Outline of Annual Research Achievements |
私の基礎検討より、長鎖ノンコーディングRNAのHOTAIRが高発現している非小細胞肺癌症例は、転移や脈管侵襲を示す悪性例が多く、術後無再発期間が有意に短縮していることが明らかとなった。この分子が肺癌においてどのように悪性化形質獲得を促進させるかについては不明な点が多い。悪性度が高い肺癌組織に選択的に発現することから、進行肺癌に対する効果的な標的となる可能性が高い。そこで本研究は、難治肺癌例に対する新しい治療法開発を最終目標に,免疫不全マウス皮下に移植したヒト肺癌 (patient-derived xenograft, PDX) と、遺伝子改変マウスを用いて、HOTAIRを標的とした治療法の有効性を検討することを最終目的とした。本年度は、治療効果の最も期待できるHOTAIRに対するsiRNA配列を抽出すること、網羅的遺伝子解析にてHOTAIRの標的分子を同定することを計画し実験を行った。まず、HOTAIRに効果的と類推される4種類のsiRNAを合成し、HOTAIRの発現減少を肺癌細胞株にて検証した。その結果、2種類のsiRNAに有意な発現抑制効果があることが判明した。siRNAにてHOTAIRの発現が抑制された肺癌細胞株の機能について現在解析中である。また、HOTAIRを強制発現させた肺癌細胞株を用いて、cDNAマイクロアレイを行った。現在HOTAIRの下流にかるシグナル経路と分子群を同定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
効果的にHOTAIRの発現を抑制するsiRNAの選定と、HOTAIRの下流にある分子同定のための網羅的遺伝子解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
HOTAIR発現肺癌細胞における標的分子抑制による機能評価と、PDXでのsiRNAの効果を確認する。
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Causes of Carryover |
網羅的遺伝子解析の解析数が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
microRNAアレイを含め頻回の網羅的遺伝子解析を行うとともに、治療効果判定のために多量のsiRNAの合成が必要となる。
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