2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K19952
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 將太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80643725)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / 神経膠腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経膠腫の手術において、不明瞭な腫瘍境界の剥離により術後神経症状の悪化を来す危険性があり、安全かつ最大限の摘出を目指すにあたり術中蛍光プローブによる腫瘍の可視化は有効である。現在5-アミノレブリン酸が悪性神経膠腫手術において保険収載され汎用されているが、偽陽性・偽陰性、術前内服投与・再投与不可などの限界がある。それゆえ5-ALAを補完する局所噴霧にて診断可能な蛍光プローブの開発を目指した。 まず、悪性神経膠腫患者から摘出された腫瘍検体の一部を用いて、プローブスクリーニングを行った。腫瘍とその周囲脳との比較を複数のプローブで行ったところ、いくつかのプローブで腫瘍>周囲脳の蛍光性が見られた。しかし全ての症例で腫瘍選択的に蛍光が見られたプローブはなかった。したがってさらに症例を蓄積したうえでの検討が必要と思われた。また、悪性神経膠腫の高い浸潤性から当然ではあるが、病理標本の検討では周囲脳に腫瘍細胞の混在が認められた症例も複数あり、やはり病理所見との比較検討が重要と考えられた。 プローブスクリーニング可能な腫瘍検体の数は限られていることから、正常の(に近い)周囲脳に対して蛍光性を持たないプローブを選出し優先的に検証を行うことも有用と思われた。そこで、複数の正常脳の(に近い)周囲脳を対象に経時的にも蛍光性をほとんど持たないプローブを選定した。今後同様の手法でさらに多くのプローブをスクリーニングすることが有用であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
凍結検体および新鮮生標本を用いた腫瘍選択性の評価で、腫瘍検体により腫瘍選択性の高い(腫瘍>周囲脳となる)プローブの種類が異なった。また、この評価検討は手術症例の多寡に依存するが、H27年度は例年よりも症例数が少なかった。以上が要因の一部となり、有望なプローブを選定するに至らず、研究にも4か月程度の遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例を蓄積し、様々なプローブで腫瘍選択性の評価を行い、スクリーニングする。スクリーニングするプローブの種類もさらに増やすことにより、有用なプローブの早期選定を目指す。また、ヒト腫瘍検体のみでのプローブスクリーニングでは検体数に限界があるため、U87やグリオーマ幹細胞株を用いたin vitroの実験も併せて行っていく。
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Causes of Carryover |
腫瘍検体を用いたプローブスクリーニングは必須なプロセスではあるが、手術症例数に完全に依存してしまう。例年より症例数がやや少なかったことから、研究に4か月程度の遅延が生じ、細胞株を用いた実験などに遅延が生じた。また、全ての症例で同じプローブが腫瘍選択性に優れていたわけでなかったため、さらなる症例数の蓄積と検証の継続が必要と思われた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
さらに症例を蓄積し、同様にプローブスクリーニングを、プローブ数も増加させて行っていく。そのために試薬等がさらに必要になる。また、細胞株を用いた実験を併せて行う予定のため、培地や細胞分離キットなどが必要となる。さらに、Xenograftを用いたin vivoの実験ではマウスやその飼育物品が必要である。
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