2015 Fiscal Year Research-status Report
もやもや病におけるエピジェネティクス解析-発症メカニズム解明にむけて-
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15K19961
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒木 芳生 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80467290)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microarray / epigenetics |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はMMD患者浅側頭動脈・中大脳動脈検体を用いたmicroarrayによる発現解析を中心に研究を進め、さらにsanger sequenceを用いたRNF213の変異検索により、Gene Set Enrichment Analysis (GSEA)やThe Database for Annotation, Visualization and Integrated Discovery (DAVID )などの公開されている解析プログラムを使用して、もやもや病患者における発現異常と遺伝子異常の関連を明らかにする予定であった。しかしながら最初のステップである、1mmにも満たない中大脳動脈の微量な手術検体からのRNA採取が十分なクオリティーを保つことができなかった。そのため、その方法論について再検討を要した。最終的には、microbeedsを用いる方法からTrizolを用いる方法に変更することにより、RINは不十分ながら、microarrayには堪えうるクオリティを担保することができるようになった。さらにRNF213遺伝子異常はMMD患者において高頻度に認められるが必ずしも全例で認められるわけではないことと、12-13%の遺伝性が認められるため、患者血液より白血球を採取しgerm lineにおけるRNF213遺伝子変異を確認する予定であった。しかしこちらについても白血球からのRNA抽出についてプロテアーゼ等の使用量が定まらず、予備実験を繰り返したが、方法論を確立できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
浅側頭動脈、中大脳動脈のサンプル数については十分確保されている。しかし、とくに中大脳動脈のサンプルは1mmにも満たない微小なものであり、RNA抽出のクオリティが保たれず、方法論の見直しを要することとなった。そこでmicrobeedsを使用した方法から、trizolを使用した方法への変更を行ったところ、RINの改善が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
浅側頭動脈、中大脳動脈のサンプルtrizolを使用した方法への変更を行ったことにより、microarrayによる発現解析は可能であると考えられる。一方、白血球からのgerm lineにおけるRNF213遺伝子変異の確認についてはRNA抽出段階での方法論が未確立であり、予備実験を繰り返すことで、その確立を目指す。
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Causes of Carryover |
浅側頭動脈・中大脳動脈検体を用いたmicroarrayによる発現解析においては、微小検体からのRNA抽出が必須の手技である。しかし、とくに中大脳動脈のサンプルは1mmx1mm以下の極めて微小なものであり、抽出に困難を極めた。それにより研究計画に遅れを生じたため、計画通りには各種キットや試薬購入は行われなかった。よって次年度使用額を生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
浅側頭動脈・中大脳動脈検体ともにもやもや病に対する手術の際に検体を得る。その際にRNA laterへの浸透、4℃ overnight保存したうえで、tRNAをTRIZOLおよびproteinase Kにより抽出する。よって、経費の使用計画としては、RNAの効率的な抽出に必要な保存液等の薬剤を中心に使用する予定である。
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