2017 Fiscal Year Annual Research Report
Telomere maintenance in meningiomas
Project/Area Number |
15K19968
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永野 大輔 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70726520)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 髄膜種 / テロメラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
髄膜腫の発生や増大におけるテロメア延長・維持機序がどのように働いているかを検討すべく、本腫瘍の臨床サンプルおよび髄膜腫細胞株のテロメラーゼ活性化の有無および、テロメラーゼ逆転写酵素のプロモーター領域の変異(TERT-p mut)の検討をおこなった。 まず、パラフィン包埋標本もしくは新鮮凍結標本を用い、ゲノムDNAを抽出、TERT-pをサンガーシークエンス法で調べた。TERT-p mutは神経膠腫や悪性黒色腫でC228TおよびC250Tという2つのホットスポットに多くの変異が集中することが知られているが、今回解析をおこなった髄膜腫症例においても、特にWHO grade IIにあたる異形性髄膜腫で約10%に同様の変異が認められた。一方、grade I髄膜腫サンプルにおいては、TERT-p変異は認められなかった。また、細胞株ではHKBMM株ではC228T変異が見られたが、HBL-52では認められなかった。次に、新鮮凍結検体のある臨床サンプルを用い、テロメラーゼ活性を検討すべく、TRAP(Telomeric Repeat Amplification Protocol)法を用い、活性を検討した。同法での解析ではTERT-p変異のある腫瘍の検討は行えず、すべて変異のない腫瘍での検討となったが、grade I, IIの腫瘍共にテロメラーゼ活性を認められたものはなかった(0/20例)。細胞株での検討では、TERT-p変異のある細胞株HKBMMではテロメラーゼ活性を認め、変異のないHBL-52ではテロメラーゼ活性は認めなかった。 これらより、髄膜腫において、グレードの高い悪性型のものに少数ながらTERT-p変異が認められることが明らかとなった。また、TERT-p変異のない腫瘍ではテロメラーゼ活性は認められず、テロメラーゼによらないテロメア維持機序について検討する必要があると考えられた。
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