2016 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated analysis of metabolomics and genetics using cerebrospinal fluid of glioma patients
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15K19970
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中溝 聡 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (00569238)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グリオーマ / メタボローム解析 / IDH変異 / 2HG |
Outline of Annual Research Achievements |
脳脊髄液(以下髄液)は脳内の病態を鋭敏に反映する体液である。グリオーマ患者の髄液を用いたメタボローム解析で、グリオーマの悪性度が上昇すると共にクエン酸、イソクエン酸、乳酸が増加し、IDH変異の存在によりクエン酸、イソクエン酸が低下することが判明した。これは、祖組織を用いたメタボローム解析と同様の結果であった。 IDH変異によりグリオーマ細胞内では2HG(2-hydroxyglutarate)が増加することが報告されている。そこで、IDH変異を有するプラスミドをグリオーマ培養細胞に導入すると、グリオーマ細胞内で2HGの増加を質量分析器によるメタボローム解析で確認できた。次に、グリオーマ患者の腫瘍をMRスペクトロスコピーを用いてメタボローム解析を行うと、IDH変異陽性グリオーマでは2HGの上昇が認められ、腫瘍組織を質量分析器を用いて解析すると、IDH変異を有するグリオーマ組織では著明に2HGが上昇していることが確認できた。 そこで、グリオーマ患者の髄液を用いて、LC/MSを使用して髄液中2HGの測定を行った。53例のグリオーマ患者のうち、IDH野生型グリオーマは44例であり、IDH変異型グリオーマは11例であった。IDH野生型患者の髄液中2HG濃度は平均0.452uMで、IDH変異患者髄液中2HG濃度は平均0.61uMで、有意な差は認めなかった(p=0.27)。また、抗悪性度グリオーマ患者髄液の2HG濃度は平均0.46uMで、低悪性度グリオーマ患者の髄液2HG濃度は平均0.55uMであり、これも有意な差は認めなかった(p=0.45)。以上より、髄液中2HGの濃度は、グリオーマのIDH診断および悪性度診断には有用ではなく、他の因子を検討する必要があることが判明した。また、髄液中マイクロRNAについては、現在解析中である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Radiographic occult cerebellar germinoma presenting with progressive ataxia and cranial nerve palsy.2016
Author(s)
Minami N, Tanaka K, Kimura H, Hirose T, Mori T, Maeyama M, Sekiya H, Uenaka T, Nakamizo S, Nagashima H, Mizukawa K, Itoh T, Sasayama T, Kohmura E.
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Journal Title
BMC Neurol
Volume: 16
Pages: 1-5
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Tumor-Associated Macrophages Associate with Cerebrospinal Fluid Interleukin-10 and Survival in Primary Central Nervous System Lymphoma (PCNSL).2016
Author(s)
Sasayama T, Tanaka K, Mizowaki T, Nagashima H, Nakamizo S, Tanaka H, Nishihara M, Mizukawa K, Hirose T, Itoh T, Kohmura E.
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Journal Title
Brain Pathol
Volume: 26
Pages: 479-87
DOI
Peer Reviewed
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