2017 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of transcutaneous application of carbon dioxide on postoperative pain relief after total knee arthroplasty
Project/Area Number |
15K19997
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高山 孝治 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (80546490)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 人工膝関節置換術 / 炭酸ガス治療 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで炭酸ガス経皮吸収療法による筋力トレーニング後の筋肉痛、筋疲労、筋力低下の改善効果が報告されているが、人工膝関節置換術後の疼痛緩和に対する炭酸ガス療法の有効性は不明である。そこで本研究の目的は人工膝関節置換術術後の疼痛に対する炭酸ガス経皮吸収療法の効果を検討することである。対象は当院で人工膝関節全置換術を施行した40歳以上80歳未満とし、文章にて同意を得た上で、人工膝関節置換術の術後6日目に下肢静脈エコーにて深部静脈血栓症を認めていないことを確認した。人工膝関節置換術の術後7日目より炭酸ガス経皮吸収療法を5日間行い、炭酸ガス療法の前後で安静時および運動時の疼痛視覚的評価スケール(VAS)、血圧、心拍数、経皮的動脈血酸素飽和度を計測した。また、術後16日目に安静時VAS、運動時VAS、関節可動域、大腿四頭筋筋力を計測し、ヒストリカルコントールと比較した。炭酸ガス療法後の安静時VASおよび運動時VASは、炭酸ガス療法前の安静時VASおよび運動時VASに比べそれぞれ有意に低値を示しており、人工膝関節置換術の術後疼痛緩和に炭酸ガス療法が有効である可能性が示唆された。また、炭酸ガス療法の前後で血圧、心拍数、経皮的動脈血酸素飽和度の有意な変化は認めなかった。一方、術後16日目での安静時VAS、運動時VAS、関節可動域、大腿四頭筋筋力はヒストリカルコントロールと比較して有意な差は認めなかった。炭酸ガス療法は人工膝関節置換術の術後疼痛緩和に効果を認めていたものの、術後16日目でのVAS、関節可動域、大腿四頭筋筋力はヒストリカルコントロールと有意差を認めておらず、炭酸ガス療法の開始時期や期間を今後検討して行く必要があると考えられた。
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