腱炎・腱鞘炎に対する炭酸ガス経皮吸収の有効性の検討

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K19998
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 原田 理沙 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (30736864)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 炭酸ガス経皮吸収 / 腱鞘炎 / 腱付着部炎 / ＭＭＰ

Outline of Annual Research Achievements

炭酸ガス経皮吸収の腱鞘炎に対する治療効果につきラット腱炎モデルを用いて検討した。ラットアキレス腱にコラゲナーゼを注射し、アキレス腱部位でのコラーゲン配列の乱れと炎症細胞浸潤を確認し腱炎モデルを確立した。上記の腱炎モデルにおいて炭酸ガス投与群と空気を投与するコントロール群を作成した。炭酸ガス経皮吸収の至適な投与間隔・期間等の確立後，炭酸ガス投与群・コントロール群・正常群に分け実験を行った．コラゲナーゼ投与後２時間・１日・１，２，４，６週後の６pointで安楽死させ解析を行った。
組織学的評価としてアキレス腱付着部でのコラーゲン繊維の配列の解析，免疫組織学的なＭＭＰの分布について評価を行った。
コラーゲン配列をＨＥ染色で解析したところ、炭酸ガス投与群において、炭酸ガス投与1週よりコラーゲン配列の乱れに回復傾向を認めた。ＭＭＰ－９の分布については炭酸ガス投与群でコントロール群と比較し有意に発現低下を認めた。
分子学的な評価ではリアルタイムＰＣＲにて変性のマーカーであるＭＭＰ、プロスタグランジン、炎症のマーカーであるＣＯＸ－２、血管新生のマーカーとしてＶＥＧＦの発現に関し検討し、３群間において差を認めた。現在、炭酸ガス投与群・コントロール群・健常群の腱におけるマイクロアレイ解析中である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在、炭酸ガス投与群・コントロール群・健常群の腱におけるマイクロアレイ解析を行ったところ、想定よりも多くの遺伝子に発現変化を認めたため、再度動物実験を行い、検体数を増やして再解析を行ったため、時間を要している。

Strategy for Future Research Activity

マイクロアレイ解析は再解析後は順調に進展しており、現在研究結果を総括し成果発表の論文の作成中である。

Causes of Carryover

マイクロアレイ解析に時間を要したことと、研究代表者の妊娠出産により研究の進行が遅れた為、今年度使用予定であった成果発表に関する費用、および論文作成に関する費用が計上できなかった。マイクロアレイの再解析は、研究代表者の研究業務復帰後順調に進展しており、今後は成果発表旅費、論文校閲費、その他諸経費に使用予定である。