2015 Fiscal Year Research-status Report
細菌分子によるマトリックスアンカー機構を応用した骨折治癒促進シーズの実用化研究
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15K20015
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コラーゲン結合型成長因子 / 骨折治癒 / 人工コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
コラーゲンに特徴的なアミノ酸配列(プロリン、ヒドロキシプロリン、グリシン)を有する人工コラーゲンを担体とした高齢者骨折治癒促法の開発を試みた。高齢者を模擬して 10ヶ月齡 C57BL/6J マウス骨折モデルを作製した。骨折部にリン酸緩衝液を投与した群(PBS群)、人工コラーゲンを投与した群(ACG群)、人工コラーゲンと塩基性線維芽細胞増殖因子を混合し投与した群(ACG/bFGF群)、人工コラーゲンコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子を混合し投与した群を(ACG/CB-bFGF群)を作成した。骨折モデル作製4週後に大腿骨を採取し、microCTを用いて仮骨量、新生骨量を測定した。また、骨形成促進メカニズムを検討するために、軟骨形成が認められる骨折後2週における組織学的検討を行った。 骨折後4週のACG/bFGF群における新生骨量、PBS群、ACG群に比べて有意に多かった。また、ACG/bFGF群における骨塩量は、PBS群に比べて多かった。ACG/CB-bFGF群における新生骨量、骨塩量はPBS群、ACG群、ACG/bFGF群に比べ有意に多かった。組織学的検討では、全群で軟骨形成を認められたが、PBS,ACG, ACGFGF群では、骨折部中央に線維芽様細胞の残存を認めた。一方、ACGFGFCBD群では骨折部中央に線維芽様細胞が見られず、仮骨は軟骨様細胞で構成されていた。CB-bFGFと人工コラーゲン材料の組み合わせは高い骨形成促進能を有していた。担体に動物由来タンパクを用いない本シーズは高齢者骨折治癒促進法として有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工コラーゲンとコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子の組み合わせが高齢者を模擬した骨折モデルに有用であることを示した。当該年度の目標は達成しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
人工コラーゲン/コラーゲン結合型成長因子複合体投与後の生体内動態を検討する。また、コラーゲン結合型成長因子のリンカー部および結合ドメインの最適化により本シーズの最適化を図る。さらに、難治性骨折モデルにおける有用性を検討し、本シーズの有用性を明らかにする。
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Research Products
(2 results)