2015 Fiscal Year Research-status Report
浸潤関連候補タンパク質による粘液線維肉腫浸潤性機構解析
Project/Area Number |
15K20017
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊田 一貴 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30383798)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 粘液線維肉腫 / 浸潤性軟部腫瘍 / プロテオミクス解析 / 外科的切除断端 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が二次元電気泳動法によるプロテオミクス解析で見出した浸潤性粘液線維肉腫検体にて発現量が増加している36タンパク質の中から、特に浸潤性への関与が期待されるタンパク質をパスウェイ解析ソフトや他癌腫において浸潤性との関与が報告されているタンパク質の文献的解析をおこない、36タンパク質の中から浸潤性機構に強い関連を示唆するタンパク質Protein Xを見出した。 見出した潤性機構関連候補タンパク質Protein Xの臨床検体での発現を、市販抗体を用い,ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いた免疫染色により粘液線維肉腫の腫瘍細胞膜に強発現することを確認した。 臨床検体での発現が確認されたタンパク質Protein Xの浸潤性への関与を、粘液線維肉腫21症例の新規追加ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いて、免疫染色解析により検証し、Protein Xの強発現が粘液線維肉腫の腫瘍浸潤性および術後の切除断端に有意に相関することを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
見出した潤性機構関連候補タンパク質Protein Xの臨床検体での発現を、市販抗体を用い,ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いた免疫染色により粘液線維肉腫の腫瘍細胞膜に強発現することを確認した。 臨床検体での発現が確認されたタンパク質Protein Xの浸潤性への関与を、粘液線維肉腫21症例の新規追加ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いて、免疫染色解析により検証し、Protein Xの強発現が粘液線維肉腫の腫瘍浸潤性および術後の切除断端に有意に相関することを見出し、検証作業は終了しており、ここまでの内容を現在、論文化しており、おおむね順調に進展している。さらに、現在、コマーシャルベースでの粘液線維肉腫細胞株が存在しないため、慶應義塾大学内で新規細胞株を樹立しており、粘液線維肉腫におけるProtein Xの浸潤性機能解析のための準備も順調に進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
粘液線維肉腫の浸潤性への関与が検証されたタンパク質Protein Xに関して、慶應義塾大学医学部整形外科にて樹立されている粘液線維肉腫細胞株を用いて、wound scratching assayやboyden chamber法による浸潤性の評価あるいはSiRNA法による遺伝子発現の変化をマイクロアレイにより評価をおこない、粘液線維肉腫浸潤性機構の検討をおこなう。
|
Causes of Carryover |
粘液線維肉腫浸潤性機構関連候補タンパク質の中で、現在、検証できたタンパク質以外にも予想よりも多くのタンパク質が浸潤性関連候補タンパク質としての有用性が見込まれる可能性がでてきたため、検証実験に遅れが出たため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
粘液線維肉腫浸潤性関連候補タンパク質の検証は研究計画の中でも期間を通じて必要と記載しているが、予想より多くの粘液線維肉腫浸潤性関連候補タンパク質の検証が必要な可能性があり、候補タンパク質の検証実験の物品費としての使用を計画する。
|
Research Products
(7 results)