2016 Fiscal Year Annual Research Report
Three-dimensional anthropometric analysis of the glenohumeral joint in a normal Japanese population
Project/Area Number |
15K20018
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松村 昇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70383859)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 肩関節形態 / 日本人肩 / 骨欠損 / 人工肩関節 / 肩関節不安定症 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常肩関節の形態を評価した報告は数少なく、特に日本人を対象にした詳細な研究は未だなかった。本研究は健常日本人の肩関節形態をCT画像で調査および解析することにより日本人に適した人工肩関節のサイズや形状を明らかにすることを目的とし、健常日本人肩の解剖学的特徴に関して解析を進め、その成果を学会発表および論文投稿の形で報告した。 2016年度はこの研究成果をもとに、肩関節不安定症患者90名に対して施行されたCT画像を用い、上腕骨頭および関節窩の骨欠損を三次元的に定量評価した。上腕骨頭および関節窩骨欠損は肩関節不安定症の治療成績不良因子として知られている。本研究では脱臼もしくは亜脱臼を2回以上経験している症例を対象とし、両側罹患例は除外した。CTデータから両側の上腕骨近位および肩甲骨関節窩のサーフェイスモデルを作成した。画像解析ソフトウェア上で左側を反転し、健常と考えられる上腕骨近位前方と関節窩後方部を利用して左右のモデルを適合、骨欠損部を同定した。骨欠損部の体積・長さ・幅・深さを三次元的に定量解析し、各患者の身長で補正した後、骨欠損とエピソード回数との関連、男女差、エピソード形態の差を統計学的に評価した。その結果、全症例の97.6%に上腕骨頭骨欠損を、96.4%に関節窩骨欠損を認め、過去の報告より大きな数値となった。肩甲上腕関節は形態やサイズの個体差があることが知られているにもかかわらず、現在までに行われている評価は罹患側のみの評価であった。症例により異なるが、肩関節不安定症における骨欠損は、従来考えられているよりも普遍的に存在している可能性がある。また上腕骨頭骨欠損はエピソード回数との相関を認めなかったが、関節窩骨欠損は有意な正の相関を認めた。反復性脱臼症例では他の症例に比べて有意に上腕骨骨欠損が深かった。これらの研究成果を学会発表および論文投稿の形で報告した。
|
Research Products
(4 results)