2016 Fiscal Year Research-status Report
頸神経根の微小循環動態(Micro-Circulation)の解明
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15K20021
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
竹内 幹伸 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20532427)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 頸神経根 / 微少循環動態 / 造影超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系、とくに頸髄は以前から非常に脚光を浴び、f-MRIを用いた脊髄機能画像評価、頸髄内循環動態研究などは行われている。しかし、頸髄から分岐した頸神経根についてはほとんど行われていない。2017年European Radilogyで、我々は健常人と比べて、頸椎症性神経根症患者(CR)の罹患頸神経根は浮腫性変化を起こしていると報告した。その原因は頸神経根の局所炎症による血流増加か、または絞扼性障害による局所静脈灌流障害に起因するものかわかっていない。本研究では、造影超音波法で正常頸神経根と浮腫性変化を呈した罹患頸神経根の微小循環動態を調査し比較したので報告する。超音波検査:神経所見、画像所見を知らない研究協力者の超音波技師が頸椎超音波検査(左右第5、6、7頸神経の測定)を行う。次に医師立ち会いのもと頸部造影超音波検査を行う際、竹内幹伸(研究代表者)から調査して欲しい頸神経のレベルを、超音波技師に伝える。 介入群:罹患神経根側:Golden Standard(頸椎MRI)で診断した罹患頸神経根を頸部超音波で同定し、ペルフルブタン8uLを静注し罹患神経根の造影パターン(微小循環動態)を確認する。 コントロール群:正常神経根側:Golden Standardで診断した罹患頸神経根と同レベルの対側の神経根を頸部超音波で同定し、ペルフルブタン8uLを静注し正常神経根の造影パターン(微小循環動態)を確認する。 介入群とコントロール群で微少循環動態に違いがあるかどうかを比較検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頸椎症性神経根症と診断した16名に対して罹患側と、同レベルの健側神経根の造影超音波を施行した。方法;体表超音波(HITACHI Ascendus)、13-5MHzリニアプローブを用いた。ペルフルブタン0.12mL/kgを静脈注入し、罹患側神経根(CR-CN)、頸動脈(CR-CA)、頸静脈(CR-CV)、胸鎖乳突筋(CR-SCM)の造影剤注入地点から造影ピークまでの時間(Time To Peak;TTP)を調査し、健常側のそれぞれ(N-CN, N-CA, N-CV, N-SCM)と比較した。 結果:罹患側はCR-CN TTP18.7±4(sec),CR-CA TTP6.9±2、CR-CVTTP 14.5±2.9、CR-SCM TTP21.4±3.1であり、患側はN-CN TTP13.8±2.4(sec),N-CA TTP6.6±1.7、N-CV TTP 13.8±2.2、N-SCM TTP21.2±3.5だった。頸神経根においてのみ、患側は健側に対して造影時間の遅延があった(P=0.001, t-test)。 結論:頸椎症性神経根症の罹患頸神経根浮腫性変化は、神経根の静脈灌流障害が原因であると思われた。
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Strategy for Future Research Activity |
データーをまとめ、学会発表、論文投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
予備の造影検査をするための造影剤代金、国内かつ国際学会発表、英語論文投稿かつ英語添削などにかかる費用が必要であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予備検査のための造影剤購入代、論文作成・投稿のための費用、学会発表のための費用に充てる。
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Research Products
(3 results)