2016 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of possible catabolic factors in synovial fluid through protein and micro RNA analyses.
Project/Area Number |
15K20022
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Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
田中 信帆 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 政策医療企画部, 研究員 (60530920)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 関節炎 / エクソソーム / 変形性関節症 / miRNA / 関節液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では関節液中に存在し軟骨変性を誘導する因子を探るために、関節裂隙狭小化が進行している膝関節から採取された関節液と関節裂隙の狭小化が生じていない膝関節から採取された関節液を様々な角度から比較解析し、両群間で異なる濃度で存在する因子を見出す目的で行われた。平成27年度には進行例からの関節液16検体(進行群)と非進行例からの関節液16検体(非進行群)についてタンパクレベルの解析をLuminexを用いて行った。合計34のタンパクについて比較した結果、MMP-1およびMMP-3が進行群の関節液中に有意に高い濃度で存在することが明らかになった。平成28年度には関節液中に含まれるエクソソームを抽出し、そこに含まれるmiRNAの解析を行った。この解析は当初次世代シークエンサーを用いて行う予定であったが、研究経費の制約から計画を変更し、PCRパネル(miScript miRNA PCR Array、Qiagen)を用いて定量PCRによって種々のmiRNAの存在量を比較した。結果、進行群の関節液でmiR-21、miR-150、miR-195の濃度が有意に低く、一方、miR-26aの濃度は有意に高いという結果が得られた。次に進行群、非進行群の合計32検体についてこれら4つのmiRNAの濃度とMMP-1、3の濃度の相関関係を調べたところ、MMP-1、3とmiR-21、miR-150の間には有意の負の相関があることが確認された。さらにこれらのmiRNAがどの組織に由来するかを知るために、OA膝関節32関節から軟骨組織と滑膜組織を採取し、それぞれの組織からRNAを抽出してMMP-1、3の遺伝子発現レベルと4種のmiRNAの存在量の関連を定量PCRで調べた。その結果、滑膜組織においてMMP-1、3とmiR-21、miR-26a、miR-150の発現レベルの間に有意な負の相関があることが確認された。
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Research Products
(1 results)