2016 Fiscal Year Annual Research Report
Inhibition of Mitochondrial Fission Protein Reduced Mechanical Allodynia and Suppressed Spinal Mitochondrial Superoxide
Project/Area Number |
15K20026
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
神田 浩嗣 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00550641)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / ミトコンドリア / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛は、難治性の疼痛であり様々な治療が試みられているが有効な方法は確立されていない。本疾患のメカニズムを分子生物学的に解明し有効な治療法を究明することが求められる。ミトコンドリアが抗レトロウイルス薬により発症する神経障害性疼痛に関与するとの報告を受け、脊髄後角における2次ニューロンの細胞内メカニズムのひとつであるミトコンドリアのFission(分裂)に着目した。ミトコンドリアがFissionを繰り返しその個体数を増加し活性酸素の産生を増大させることで神経障害性疼痛が生じると考えられている。本研究の目的は、Fissionを触媒するタンパクであるDrp1(dynamin-related protein 1)をアンチセンス法にて抑制し、機械的疼痛域値、脊髄後角のDrp1活性、活性酸素の産生を調査することである。HIVのエンベロープタンパクであるgp120(glycoprotein 120)をラット坐骨神経に導入し、疼痛モデル標本を作製した。機械的疼痛域値はVon Freyフィラメントを用いたup-and-down法、Drp1活性はウエスタンブロット法、活性酸素の陽性細胞数は特異的マーカーであるMitoSOX redを用いた免疫染色法で調査した。gp120疼痛モデル群では、機械的疼痛域値の低下、Drp1活性と活性酸素の増加が認められたが、アンチセンス法を用いた治療群では、疼痛域値は上昇し、Drp1と活性酸素は減少した。結論として、gp120を用いた疼痛モデルラットにおいてDrp1を抑制するアンチセン法を用いた遺伝子導入により、脊髄後角ミトコンドリアのFissionが抑制され、HIV関連神経障害性疼痛が減弱することを示した。アンチセンスDrp1をクモ膜下に投与する遺伝子治療は、HIV 患者の神経障害性疼痛の治療に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)