2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K20041
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉山 勇樹 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (30624770)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遷延性術後痛 / 筋凍結 / ミクログリア / 炎症細胞浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、凍結による筋挫傷によって局所に炎症を引き起こし、その治癒過程において炎症細胞の浸潤量を解析する。さらに、痛みの遷延を行動学的研究および免疫組織学的研究で示し、遷延性術後痛の動物モデルを確立し、ヒトにおける遷延性術後痛を発症させないための、新たな予防的治療法の開発を目指す。 以前に作成したふたつの傷害モデル、すなわち足底筋切開モデル(切開群)ならびに、凍結筋障害モデル(凍結群)を用いて研究を継続した。行動学的評価については、本年度におこなった追加実験と統計学的再検討の結果、凍結群は切開群に比べ、自発痛関連行動については手術から3-7日目、機械性痛覚過敏については手術から5-8日目において、有意な増大を認め、凍結モデルの痛みの遷延が確認された。 また、脊髄におけるミクログリアの発現を評価するため、足底の支配領域である脊髄L4-5を採取し、ミクログリアに特異的に発現しているカルシウム結合タンパク質であるIba-1を用いて染色した。手術4日後、7日後のラット脊髄において、非術側に対する術側のミクログリア発現が増加していることが確認された。これも、本年度におこなった統計検討によって、有意差が示された。 前年度におこなった、障害足の足底筋HE染色について、組織の炎症細胞浸潤を定量評価した。 今後は、痛み関連分子であるc-fosの染色や、データの整理、学術論文への投稿をおこなっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた行動学的研究に関して、追加実験をおこなう必要が生じたが、ほぼ終了した。免疫組織学的研究も、切開群に比べて凍結群において、脊髄のミクログリア発現の増加が遷延することが示され、統計学的優位差も示されている。さらに、当教室においてこれまでも使用されてきたフローサイトメトリーを用いた、筋への炎症細胞浸潤の評価もおおむね完了している。また、国際学会において発表をおこない、研究データを公表済みである。今後は学術論文への投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
不足している実験結果の収集、すなわち脊髄におけるc-fos発現の経時的評価をおこない、実験結果に加える。また、これまでの研究データの整理や、論文作成を進める。
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Causes of Carryover |
当初の予定より、動物購入費や実験物品の購入費が少なかったことに加え、当初計画で見込んだその他支出が少なかったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、平成30年度請求額と合わせて、実験動物の購入費、飼育維持費、各種実験試薬の購入費、器具など所物品の購入費、大学保有実験室(フローサイトメトリーやレーザー共焦点顕微鏡など)、論文投稿費などに充てる予定である。
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Research Products
(6 results)