2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K20042
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
水野 祥子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60635580)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 吸入麻酔薬 / 細胞増殖 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者は吸入麻酔薬に暴露されたヒトがん細胞株が、細胞数を増加させる細胞株と減少する細胞株に分かれることを見いだした。そこで申請者は麻酔薬暴露後の増殖率の違いがDNAの修飾の一つであるエピゲノムの異常に起因している可能性があると仮説をたてこれを明らかにする。
本年度までにヒトがん細胞株のうち、ある特定の細胞株では吸入麻酔薬の暴露を受けるとその増殖率を高めるばかりでなく、細胞周期のDNA合成期（S期）に進む細胞数の割合が増加し、細胞周期を早めることを見出した。同時にこの細胞株は暴露の有無と細胞死数に差は生じないことを見出している。
そこでこの現象が複数のヒト癌細胞株に同様の変化を生じるかどうかを確かめるため、本年度は複数の細胞株に臨床に使用される濃度の吸入麻酔薬を暴露しその増殖率を解析するとともに、暴露によって細胞周期のDNA合成期（S期）割合を変化させるかどうかを繰り返し測定した。その結果、増殖率には先の予備実験の通り各種細胞株によって違いが生じることを確認したが。現在までにDNA合成期（S期）が有意に増加する細胞株を複数見出すことができていない。
また増殖率を増加させた細胞株について、DNA修飾のひとつであるエピゲノムに関わる遺伝子群に発現量の変化が生じているかどうかを検討するためにリアルタイムRT-PCRを用いて解析を進めている。これまでに麻酔薬暴露直後に細胞周期制御遺伝子の発現が異常に低下していることをみいだしたが、現在はその経時的な変化について解析に取り組んでいる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は吸入麻酔薬とヒトがん細胞株の増殖率の解析によって、周術期に大量に使用される吸入麻酔薬とがんの再発・浸潤への懸念の一部を明らかにすることができる。
今年度は吸入麻酔薬暴露後にエピゲノム修飾異常が発生しているかどうかを複数の細胞株で試験するため、吸入麻酔薬暴露後に増殖率を高め、細胞周期を早めDNA合成期（S期）を増加する細胞株を見出すことを目的とした。しかし現在まで十分な細胞株数を見出すことができず、達成度の遅れとなっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究においては、吸入麻酔薬とヒトがん細胞株の増殖率の違いにエピゲノム修飾異常が関係しているかどうかを検討する課題であるが、細胞周期を早めDNA合成期（S期）を増加させる細胞株を他に見出すことに困難性が生じている。そこでこの対策として、以下の点を検討して推進する。①吸入麻酔薬暴露後に細胞数を増加させるヒト培養細胞株のさらなる探索を行う。②細胞周期S期のBrdUパルスが細胞株によっては困難性が高いため、DNA染色剤による簡易な検討も含めることにする。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額は2,696円である。おおむね計画通りに予算を使用したが、消耗品の価格の変更などで次年度使用額が生じたと考える。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用額については来年度の細胞培養に必要なプラスチック製消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
