2015 Fiscal Year Research-status Report
静脈注射用アセトアミノフェンの日本人手術患者の薬物動態・薬力学解析
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15K20052
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小原 伸樹 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00443854)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アセトアミノフェン / 薬物動態 / 日本人 |
Outline of Annual Research Achievements |
(具体的内容)12人の被験者より得られた手術中および術後のアセトアミノフェンの血中濃度データを用いて、日本人の周術期患者における静脈注射用アセトアミノフェン薬物動態解析を行なった。解析法としてNonlinear Mixed Effect Modeling法(NONMEM)を用いた。薬物動態モデルは、2コンパートメントモデル構造で説明でき、体重が共変量として組み込まれた。年齢や性別は共変量にはならなかった。モデル式は V1=10.5 L, V2 = 29.9 ×(weight/70 kg) L, CL1= 0.22 × (weight/70 kg)^0.75 L/min,CL2 = 1.14 L/minであった。モデルの予測精度は許容範囲内(Median Prediction Error = -1%, Median Absolute Prediction Error = 13%)であった。 (意義・重要性) アセトアミノフェンの薬物動態モデルは、主に外国の小児患者を対象に検討されたデータは散見されるものの、日本人の成人患者を母集団とする、静脈注射用アセトアミノフェンのコンパートメントモデルはこれまで発表されていなかったため、薬物動態シミュレーションが十分に行えない状況であった。本モデルを用いることで、静脈注射用アセトアミノフェンの投与履歴から血中濃度を推定することができる点、その結果と、疼痛など臨床症状を合わせて検討することで薬力学的検討、すなわち濃度ー効果関係の詳細な検討を行なうことが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者から血液サンプルを得てアセトアミノフェン血中濃度を測定し、薬物動態解析を進めるところまでは到達している。
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Strategy for Future Research Activity |
薬物動態解析と合わせて得られた効果データを用い、薬力学的解析を行なう。
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Causes of Carryover |
初年度は薬物動態解析の費用(消耗品費と解釈しその他として計上)を要したが、他に用途がなかったため次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加費の一部として使用を計画する
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