2016 Fiscal Year Research-status Report
過分極誘発陽イオンチャネルを標的とした慢性疼痛の遺伝子治療法の開発
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15K20064
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大下 健輔 久留米大学, 医学部, 助教 (70529510)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HCN / 後根神経節 / 脊髄後角 / 遺伝子治療 / 炎症性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
後根神経節に発現するHCN2が疼痛治療のターゲットになるか明らかにするため、現在後根神経節の初代培養、電気生理学的機能解析を継続している。また、HCN2の優性抑制性変異体のウイルスベクターの作動確認を今後行う予定である。 一方で、同じHCNチャネルファミリーであるHCN4の脊髄後角における局在をさらに詳細に調べるため、HCN4遺伝子の翻訳開始点にテトラサイクリントランスアクチベータ (tTA) とその応答配列(TRE) をノックインしたマウス作成した。このマウスとテトラサイクリン応答配列制御下でGFP を発現するトランスジェニックマウスとを交配したマウスを利用して蛍光免疫染色を行った。このマウスはHCN4とGFPが共発現するが、頸髄、胸髄、腰髄いずれにおいても脊髄後角第2層に発現していることが見いだされた。脊髄の急性スライスでのGFP陽性ニューロンの同定は困難であり、電気生理学的な解析までは至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス粒子作成段階まで研究が進行している。HCN4発現部位をニューロンレベルで同定することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
HCN2の優性抑制性変異体の作動確認を行う予定である。 当初の計画では後根神経節をターゲットとして研究を実施する予定であったが、脊髄後角に特異的にHCNチャネルが発現することが見いだされており、脊髄後角もターゲットとしてさらなる機能解析を行い、遺伝子治療のターゲットとなりうるか検討していく。
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Causes of Carryover |
当初のターゲットと異なる脊髄後角を用いた実験を多く行い、脊髄の急性スライスを用いた実験技術の習得に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、後根神経節の培養やウイルス導入に必要な諸経費に充当する。
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