2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K20069
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
仲村 和芳 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50456034)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 医工学 / 前立腺肥大症 / 尿流解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺部尿道内腔の3次元モデルを用いた尿流シミュレーションシステムを構築し、α1ブロッカー内服治療による前立腺部尿道の尿流改善効果の可視化と病態責任部位の同定を目的として、臨床応用計画と研究を行ってきた。 今年度は、3次元システムの構築のブラッシュアップに焦点を当てて研究を推進してきた。 具体的には、3次元システム構築は、前立腺部尿道の内視鏡引き抜き映像を用いて、パーソナルコンピューター上で画像処理を行うことで3次元画像を作成するが、この工程で内視鏡の光源とその光が届く距離によって、3次元化された画像に誤差が生じることが判明した。その誤差自体が修正可能かどうかの検討を進め、それと並行してシステム自体の最新化が必要かを過去の症例の画像を元に再検証を行った。そのため、新規の症例登録は最小限に留め5例となっている。撮影の誤差の修正も可能と考えられたが、光源の強さや輝度によって誤差がもたらされるので、前立腺部尿道内を撮影時に輝度の自動調整を行う方法と行わないで固定する方法を試行した。輝度を固定すると前立腺部尿道の空間の広さや出血の有無によって3次元化されたときに大きな誤差となることがあるため、再現性が乏しくなってしまうことが判明し、輝度は自動調整で行うことで同一症例でも再現性が保持されることが判明した。 3次元化された前立腺部尿道のモデルは、排尿時をイメージして作成しているが、排尿時に刻一刻と変化することが予想される尿道内腔に対応することは困難と考えられた。 そこで、3Dプリンターを用いて弾力のある尿道モデルを作成し、そのモデル内での尿流シミュレーションも並行して検討するシステムの最新化も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要でも述べたが、3次元システム構築は、前立腺部尿道の内視鏡引き抜きに映像からの画像処理を元に3次元画像を作成するが、この工程で内視鏡の光源とその光が届く距離によって誤差が生じることが判明した。その誤差事態がを修正可能かの検討と、システムの最新化が必要かの2点をポイントとし、過去の症例の画像を元に再検証を行いつつ、システム自体の誤差軽減に向けた改築を行ってきた。 そのため、新たな症例の登録は最小限となり5例ほどとなっている。 撮影の誤差の修正も可能と考えられるが、システム自体も最新化を進めることで、さらにシミュレーションの質が上がると考えており、遠回りしているようであるが、確実なデータを採取することができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
システム自体の最新化が進む事が考えられるため、来年度は症例の新規登録と解析を積極的に行っていく予定である。 また、3次元モデルを3Dプリンターを用いて実際に模型として作成することで、実際にPCの仮想空間だけでなく、実モデルに水流を起こし解析する実験も並行して行っている。 こちらのデータも解析し、仮想空間と実臨床との差を埋めていく努力を行っていく。
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