2015 Fiscal Year Research-status Report
癌関連タンパク質GGCTを標的とした前立腺癌治療の検討
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15K20084
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
花田 英紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40555067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GGCT / 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌関連タンパク質GGCTを標的とした前立腺癌治療の検討を目的として研究をすすめた。27年度の研究課題として前立腺癌細胞株におけるGGCTの発現を観察し、GGCT発現抑制による細胞増殖の抑制効果を観察すること。また、GGCTの発現抑制により細胞増殖の抑制効果を認めた細胞株において細胞周期の変化について検討し、CDK (cyclin-dependent kinase) inhibitorの観察を行うこととした。結果、前立腺癌細胞株LNCaP, PC-3, DU145を用いたGGCTの発現の観察では、各種の細胞においてGGCTの強発現が観察された。また、GGCTの発現を抑制することにより細胞増殖の抑制効果が観察された。Tissue Microarrayを用いたヒト前立腺癌の組織切片における免疫染色でもGGCTの発現が観察されることから、前立腺癌の治療標的となる可能性が期待される。現在、GGCTの発現を抑制することにより細胞増殖抑制効果が観察される細胞においてp21WAF1/CIP1、p16INK4Aの観察を行っており、GGCTとCDK inhibitorとの関連性についての検討と、CDK inhibitorの調節を介した細胞増殖抑制効果の可能性について解明を行っている。 今後もどのようにGGCTが細胞増殖に関与しているのか機能の解明をすすめ前立腺癌治療へとつなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroでの研究はおおむね順調に進捗しているものの、In vivoでの研究まで到達していない状況であるため。また、前立腺癌患者における臨床検体を試料としたGGCTの発現の検討については遅れを生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
癌関連タンパク質GGCTの機能の解明を進めていく。GGCTの発現を抑制することにより細胞増殖抑制効果が観察されており、細胞周期の変化に関する観察をさらに進めて、機能の解明を行う。 前立腺癌の臨床検体におけるGGCTの発現を観察し、臨床病期とGGCTの発現の関連性について検討する。前立腺癌皮下移植マウスを作成し、GGCT抑制による腫瘍増殖抑制効果について検討する。 研究を継続し、論文発表という形で成果を報告する。
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Causes of Carryover |
以前より購入していた細胞株や試薬を用いて研究を行ったため。 研究の進捗状況に合わせて実験機器を購入するための準備を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は動物実験を行うための準備や物品、機器の購入による支出を予定している。
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