2015 Fiscal Year Research-status Report
尿路上皮癌由来エクソソームにおけるmiRNA網羅的探索と新規核酸治療薬の開発
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15K20089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松崎 恭介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90747081)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 尿中エクソソーム / 尿路上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路上皮癌の新たな尿中バイオマーカー探索を目的とし、尿中のエクソソームに着目し研究を進めた。尿路上皮癌患者6名、健常者3名の自然尿40mlより超遠心法を用いてエクソソームを回収し、そのエクソソームに内包されたmiRNAを抽出した。その後、miRNA microarrayを施行し癌患者の尿中エクソソームで特異的に発現上昇しているmiRNAを網羅的に探索した。microarrayのCluster解析ではいくつかのmiRNAが癌患者と健常者の尿中エクソソームで発現が異なり、癌患者と健常者の尿中エクソソームのmiRNAのプロファイルが異なることが示唆された。 またmicroarrayで示された癌患者の尿中エクソソームで上昇していたいくつかのmiRNAに対して、別の患者群(浸潤癌5名、表在癌5名)および健常者6名の尿中エクソソームを用いてverificationを施行した。結果として、microarrayで癌患者尿中エクソソームで上昇していたmiRNAのうちいくつかはverificationにおいても癌患者群で発現が上昇しており、尿路上皮癌の新規尿中バイオマーカーとしての可能性が示された。今後はverificationの症例数を癌患者40名、健常者20名程度まで増加し、尿中バイオマーカーとしての妥当性を評価する。さらに同定されたmiRNAに関しては生物学的な意義を探索するため、細胞株等を用いた実験を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿路上皮癌患者6名、健常者3名の尿40mlよりエクソソームを回収し、エクソソームに内包されたmiRNAを抽出し、miRNA microarrayを施行した。Cluster解析ではいくつかのmiRNAが癌患者と健常者で発現が異なり、癌患者と健常者の尿中エクソソームのmiRNAのプロファイルが異なることが示唆された。 microarrayで癌患者の尿中エクソソームで上昇していたいくつかのmiRNAに対して、別の患者群(浸潤癌5名、表在癌5名)および健常者6名の尿中エクソソームを用いてverificationを施行した。結果として、microarrayで癌患者尿中エクソソームで上昇していたmiRNAのうちいくつかはverificationの患者群でも発現が上昇しており、バイオマーカーとしての有用性の可能性を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
verificationの症例数を癌患者40名、健常者20名程度まで増加し、尿中バイオマーカーとしての妥当性を評価する。さらに同定されたmiRNAに関しては生物学的な意義を探索するため、細胞株等を用いた実験を予定している。
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