2015 Fiscal Year Research-status Report
免疫制御リポソームと抗CD40抗体によるヒトNKT細胞免疫応答の制御
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15K20115
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宮入 聡嗣 東京女子医科大学, 医学部, 医療練士研修生 (20623391)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 調節性T細胞 / 免疫寛容 / natural killer T細胞 / インターロイキン2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究で、マウス骨髄移植モデルにliposomal formulation of α-galactosylceramide (lipo-aGC)+抗CD40/CD40L抗体併用療法を行うことで、低侵襲前処置でも確実に骨髄細胞を生着させ、mixed chimerismを誘導できることを報告している。本研究では、この治療法がヒトに応用可能であることを証明するため、ヒト末梢血単球細胞(peripheral mononuclear cells: PBMCs)へのlipo-aGC、抗CD40/CD40L抗体への反応性を確認することを目的とした。ヒトPBMCsを利用したin vitroでのlipo-aGC刺激実験を開始する前段階実験として、マウス脾臓細胞を利用したin vitroでのlipo-aGC刺激試験を行った。この結果、マウス骨髄移植モデルで認められたのと同様、IL-2, IL-4, IL-10などのサイトカイン産生増加、CD4+CD25+ Foxp3+regulatory T (Treg)細胞の活性化を認めた。増加したサイトカインとTreg細胞活性化の相関を確認するため、サイトカイン中和抗体を併用したところ、IL-2とTreg細胞活性化に強い相関が確認された。これらの結果から、lipo-aGC刺激による末梢でのTreg細胞増加にはIL-2刺激が重要な役割を果たしていることが推察された。続いて、ヒトPBMCsをin vitroでlipo-aGCにより刺激した。すると、ヒトPBMCsであっても上清IL-2濃度、IL-4濃度の上昇が認められ、さらに僅かながらではあるがTreg細胞が増加することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトPBMCsを用いた実験に先立ち、マウス培養細胞を用いた実験系でのデータを確立することができた。さらにヒトPBMCsを用いた予備実験により、実験系が確立しつつある。これにより、lipo-aGC刺激に対する反応のうち、マウス細胞とヒト細胞で共通する部分が明らかとなりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトPBMCsでもlipo-aGC刺激後にサイトカイン産生の増強が認められたものの、その濃度はマウス脾臓細胞に比べると微量であった。マウス脾臓細胞中とヒト末梢血中のNKT細胞の含有量の差が影響していると考えられる。そこで、ヒトPBMCsよりNKT細胞を培養抽出し、lipo-aGCに対するヒトNKT細胞の反応性をdirectに観察することを試みる。さらに、マウス骨髄移植実験で、NKT細胞活性化後のINFγ産生抑制に効果的であった抗CD40/CD40L抗体に関し、ヒトPBMCs培養実験系でも同様の効果を示すか検証する。
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