2016 Fiscal Year Research-status Report
尿道炎におけるアデノウイルスの分子疫学的研究及び病原性の解析
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15K20119
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
花岡 希 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 研究員 (00584517)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 性感染症 / 非淋菌非クラミジア性尿道炎 / アデノウイルス性尿道炎 / 病原体探索 / アデノウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
3年計画の2年目である平成28年度は、アデノウイルス性尿道炎実態解明のため、積極的な尿道炎患者に対する病原体スクリーニングを継続した。その結果、これまでにおよそ400症例の尿道炎患者のスクリーニングを実施し、対象群として、尿道炎症状の無いグループ200例弱を同様にスクリーニングした。症例群ではおよそ10%弱の割合でアデノウイルス性尿道炎患者が同定できた。対象群との比較では症例群で有意にアデノウイルスが検出され、アデノウイルス性尿道炎の存在が強く示された。同定したアデノウイルス型は眼の疾患との関連が強く示唆され興味深い知見を得た。現在、アデノウイルスの型別による症状等の違いについて解析を行っている。 また、これまでのcase-control studyからアデノウイルス性尿道炎患者数に年毎の違いが示唆され、全国でのアデノウイルス流行状況との関連についても解析を行っている。昨年度に引き続き分析ツールとしての有用な抗体評価も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでのスクリーニングにより、年毎でのアデノウイルス検出率に違いが示唆されている。当該年度ではアデノウイルス性尿道炎患者の発生率が低かったため、解析用の検体の確保が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在これまでのデータをまとめている。 また、アデノウイルスの尿道炎関与を明らかとするため、本年度に引き続き尿道上皮細胞を入手し感染実験等を行う予定である。
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Causes of Carryover |
一部納品が年度をまたいでいるものがある。また、年度末納品等にかかる支払いが平成29年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。 平成28年度分についてはほぼ使用済みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり。
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