2017 Fiscal Year Research-status Report
再生医療を利用した移植卵巣の機能改善に対する新規治療開発
Project/Area Number |
15K20131
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大島 乃里子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30611058)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 再生医療 / 卵巣移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
臍帯血由来血管内皮前駆細胞を内皮細胞として、胎盤付属物由来間葉系幹細胞をペリサイトとして、生体外で羊膜上に毛細血管シートを作成したものをマウスに移植し、安定した血流再開がおこるかについてカラードプラーを用いてモデルの検証を行った。結果は血流が早期に再開する傾向は認めるものの有意差をもった結果とは言えなかった。そのため、その原因について検討を行ったところ、以下の2点の問題が考えられた。 1つは、マウスモデルにおいてはマウス個体自体の大きさが小さいことが影響し、小さな移植片しか移植できないため、移植可能な毛細血管数も必然的に少なくなってしまう。このため血流の早期再開を促進するには不十分な数の血管しか移植できていない可能性がある点である。 もう1つは、ここまでの実験により、移植した血管そのものが既存の血管と融合している箇所が組織学的に高率に認められないことから、毛細血管自体の融合率が低い可能性があるという点である。 以上の問題点を踏まえ、毛細血管を構成する細胞あるいは細胞が分泌する何らかの物質を用いて実験を行う方針とし、胎盤付属物由来間葉系幹細胞を用いて、幹細胞自体あるいは培養上清からmicrovesicleを抽出し、それを局所注入する方法への実験変更を行った。まず胎盤由来間葉系幹細胞としてヒト胎盤、羊膜、臍帯それぞれの由来の幹細胞を採取し、由来の違いによる特徴についての解析を行い、治療に適切な間葉系幹細胞を選択した。その上で間葉系幹細胞とその培養上清からmicrovesicleを抽出し、既存モデルに局所投与して効果を確認する予備実験を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験計画の変更が必要となったため
|
Strategy for Future Research Activity |
胎盤付属物由来間葉系幹細胞由来のmicrovesicleを局所注入する方法への実験変更の方針
|
Causes of Carryover |
研究計画が変更になったため、当研究費でのマウス購入が見送られ、既存の試料で研究を行ったため、使用額が減った。次年度は再度移植実験に使用するマウスが必要となる予定。
|