2016 Fiscal Year Annual Research Report
Breakthrough of the management of preterm labor -Usage of highly sensitive PCR system for detecting microorganisim in Amniotic fluid-
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15K20133
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
米田 徳子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (80377283)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 早産 / 子宮内感染 / 迅速高感度病原微生物検出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産特に在胎28週未満の早産では子宮内感染や絨毛膜羊膜炎(CAM)の頻度は高率だが、これまで非破水例に対する抗菌薬の有効性は証明されていなかった。また、最近種々の炎症性疾患で腸内細菌叢の変化が明らかになってきている。子宮内感染は従来の菌体培養、薬剤感受性検査に約1週間要し、培養検査は培養後に増殖する菌種と減少する菌種が混在するため、本来の細菌叢を反映していないという問題点がある。この問題点を解決するために、分子生物学的にDNA配列から病原体を検出する方法を開発した。 ①当院臨床検査部との共同研究により、独自に開発したeukaryote-made Taq polymerase (真核生物をホスト細胞としてリコンビナントに作成した耐熱性DNA合成酵素)を用いて、切迫早産、pPROM(前期破水)の妊娠中または分娩時の羊水、胎盤、臍帯血の病原微生物の検出を行った。未破水切迫早産でUreaplasma, Mycoplasma属および細菌混合感染例では、病原微生物陰性例に比し有意に子宮内炎症が高率で、分娩週数が早く新生児重篤合併症が多いことを報告した(Am J Reprod Immnol 2016)。また、非破水切迫早産例の羊水感染例では抗菌薬使用により早産予後が改善したが、羊水非感染例では抗菌薬使用により逆に早産予後が悪くなった(Am J Reprod Immunol 2016)。この結果は起因菌が存在しない場合、腸内細菌叢を抗菌薬が乱し、早産になったと推察させる。切迫早産で迅速高感度PCR法にて羊水中病原微生物陽性だった5例に対し、適切な抗菌薬を投与し、終了後に再度羊水検査を行い、迅速高感度PCR法で治療効果を判定したところ、全例の病原微生物が陰性化していた。今後は定量化PCRをおこない、症例をさらに蓄積し治療効果を判定する。 ②腸内細菌叢のメタゲノム解析については、現在症例を蓄積中である。
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Research Products
(13 results)