2015 Fiscal Year Annual Research Report
分娩発来機構における新規ユビキチンリガーゼLUBACの役割
Project/Area Number |
15K20141
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀧内 剛 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40733358)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NF-kB / 早産 / 炎症関連性新生児脳障害 / ユビキチン / LUBAC |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は、少子・晩婚化が加速度的に進行しており、一組でも多くの母児に安全な出産を提供する必要性に迫られている。分娩発来機構には、炎症などを調節する転写因子であるNF-kBの関与が報告されているが、その分子機序は未だ明らかではない。我々は、NF-kBの活性化に特異的かつ重要な役割を果たす新規ユビキチンリガーゼであるLUBACの活性調節機構を、2014年に報告した。妊娠とLUBACの関与を検討した報告は未だ見られない。本研究では、早産・炎症関連性新生児脳障害におけるLUBACの役割について検索し、分娩発来の分子機序の一端を解明することを目的とした。 まず、分娩時に、LUBACを介してNF-kB活性が制御されているかを検討するために、分娩前(交配後16.5, 18.5日目)マウス、分娩直後のマウスの子宮・胎盤におけるLUBAC活性をWB法にて解析した。LUBAC量はその構成分子の一つであるHOIP量に反映されるため、HOIPのタンパク量をWB法で比較検討した。16.5日目マウス3匹、18.5日目マウス3匹、分娩後マウス2匹の子宮と16.5日目マウス3匹、18.5日目マウス3匹の胎盤におけるHOIP量を比較したが、有意な変化は見られなかった。 続いて、我々が開発した子宮局所(feto-maternal interface)一過性遺伝子導入系を用いて、分娩前マウスへのHOIP siRNA/導入による分娩時期の比較検討を行った。HOIPの発現を抑制すると、LUBAC全体の発現量も低下するため、NF-kB活性は低下する。交配後17.5日のマウスの卵膜外に、コントロールsiRNAまたは、HOIP siRNAを封入したHVJ-E vectorを、それぞれ4匹ずつ一過性に導入した。コントロール群と比較して妊娠期間の延長が期待されたが、差は見られなかった。
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Research Products
(12 results)