2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K20144
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
春間 朋子 岡山大学, 大学病院, 助教 (60751774)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / MSI |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、予後追跡が可能である子宮体癌症例の年齢、進行期、組織型、治療内容、予後などの臨床情報を診療録から抽出した。また、パラフィン包埋検体(FFPE)腫瘍組織から抽出したDNAを用いてMicrosatellite instability (MSI) testを行った。現在までに133例の解析を行い、MSIは37例(27.4%)に認めた。MSI群はnon-MSI群に比較して脈管侵襲が有意に多く(P=0.049)、Type2に多かった(P=0.199)。予後解析では,MSI群でPFSが良好な傾向を認めたが、有意差は認めなかった(P=0.162)。MSIを認めた症例については、MLH1,MSH2,MSH6,PMS2(ミスマッチ修復(MMR)タンパク)に対する免疫組織化学的検討(IHC)を行った。その結果では、MLH1/PMS2陰性が21例(60.0%)、MSH2/MSH6陰性が7例(20.0%)、MSH6単独陰性6例(17.1%)、PMS2単独陰性1例(2.9%)であり、残りの2例はMMRタンパク全て発現を認めた。また、MSI群でMLH1 promoter methylation解析を行うと、MLH1/PMS2陰性21例のうちMLH1 promoter methylationを認めた子宮体癌は15例(71.4%)であった。MMR陰性を示した子宮体癌35例中,この15例を除く20例(57.1%)はリンチ症候群関連子宮体癌である可能性があり、このうち5例(25.0%)に重複癌を認めた。リンチ症候群関連子宮体癌のスクリーニング法を確立することは、子宮体癌だけでなくリンチ症候群関連腫瘍(大腸癌など)の予防においても重要であり、その対象者は既知の報告より多い可能性があると思われた。以上は、第53回日本癌治療学会学術集会にて報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ当初の研究計画通り、MSI解析とMSI群におけるMLH1 promoter metylation解析とMMRタンパクのIHCは終了した。non-MSI群については現在鋭意解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、MMR蛋白IHC解析とMHL1/MSH2 promoter extensive methylation解析について、non-MSI群も含めた全症例行うことによってepigenetic変異の関与がどの程度認められるのか検討を行う予定である。また、RAS/RAF変異解析についてもダイレクトシーケンスで行う予定であり、大腸癌で報告されているようなMSIとRAS/RAF signal cascadeに所属するoncogene(KRASやBRAF)の体細胞変異との関連やその病理学的特徴や予後の検討を行う。
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