2016 Fiscal Year Annual Research Report
Potential mechanism by which glucose regulates decidualization
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15K20145
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
竹谷 俊明 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70464328)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脱落膜化 / グルコース / エピジェネティクス / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト子宮内膜間質細胞の脱落膜化 (分化) は着床のために必須の現象である。この脱落膜化過程では、多くの遺伝子において、発現の劇的な変化が起る。遺伝子発現は、転写因子のみで調節されるのではなく、転写因子の受け手側であるDNAのヒストン修飾等のエピジェネティックな調節機構によっても制御されている。ゲノムワイド解析により、脱落膜化過程ではインスリンシグナル関連遺伝子群がヒストン修飾の増加を伴って発現が上昇することが分かっている。また、脱落膜化により子宮内膜間質細胞はグルコースの取り込みが増加する。本研究では、脱落膜化過程におけるグルコースの積極的な取り込みの必要性を探求し、グルコース代謝のメカニズムおよびグルコースによる遺伝子発現調節について遺伝子レベル・分子レベルで解明し、グルコースの役割について解明を行った。 低グルコース環境で脱落膜化を誘導すると脱落膜化マーカーであるPRLおよびIGFBP-1遺伝子の発現が抑制され、脱落膜化にはグルコースが必須であることが示唆された。同時に、脱落膜化過程での重要な転写因子のひとつであるFOXO1の発現も抑制された。通常グルコース濃度で脱落膜化を誘導すると、PRLおよびIGFBP-1遺伝子のプロモーター領域のH3K27ac は増加するが、低グルコース環境ではその増加が抑制された。FOXO1 のプロモーター領域のH3K27acも脱落膜化によって増加したが、この増加も低グルコース環境により抑制された。 本研究においては、グルコースが転写因子FOXO1のエピジェネティクスを変化させることによって発現を上昇させているだけでなく、PRL およびIGFBP-1 のプロモーター領域のヒストン修飾を変化させることにより、子宮内膜間質細胞の脱落膜化に促進的に貢献している重要な生理活性物質であることを示した。
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Research Products
(4 results)