2015 Fiscal Year Research-status Report
腹腔内環境をターゲットとした子宮内膜症の内分泌療法を脱却した新規治療薬の開発
Project/Area Number |
15K20152
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 史子 熊本大学, 医学部附属病院, 診療助手 (90648271)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / 腹腔内環境 / 腹腔マクロファージ / 子宮内膜間質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究期間中、末梢血由来M2マクロファージとESCの共培養状態における培養上清および細胞変化について検討を行った。M2マクロファージは単培養条件下で種々のサイトカインを産生し、実際にマクロファージの単培養上清をESCに投与すると、ESCの増殖が促進された。しかし、マクロファージとESCの共培養上清のESCに添加すると、先のマクロファージの単培養上清と比較して、有意にESCの増殖能が促進された。サイトカインアレイを用いた検討でM2マクロファージとESCの共培養上清がそれぞれの単培養上清と比較し、GM-CSF、MCP-1、RANTES,IL-1αのサイトカインが増加していたことから、今回GM-CSF、MCP-1についてマクロファージと初期培養ESCならびに不死化ESCにおけるそれぞれのレセプター発現を確認したところ、GM-CSF RαおよびRβはマクロファージならびにESCで発現が強く確認された。この発現は特にマクロファージと初期培養ESCに強かった。MCP-1レセプターはマクロファージには発現していたが、いずれのESCにはみられなかったことから、GM-CSFの関連が強く示唆され、実際にESCにGM-CSFを添加することでESCの増殖が促進されたことから、GM-CSFがこれら相互作用における重要な因子であることが考えられた。今回はRANTESに関しては評価していないが、同じくマクロファージと関連の強いケモカインであることから、今後子宮内膜症との関連については評価すべきである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロファージとESCの共培養下において、ESCの増殖能以外に共培養下でのESCの浸潤能や遊走能について評価予定であったが、これまでの増殖能と異なった培養系の確立ができておらず、増殖能のみの評価しかできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
実験可能である増殖能の評価について先に勧めることとし、共培養条件下で増加しているサイトカインに注目したESCの増殖能の評価ならびにStat3を制御する薬物を用いたin vitroやマウスを用いたin vivoの実験系を行う。
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