2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of cell-free mRNA in first trimester plasma from pregnant women who would develop fetal growth restriction or hepertensive disorders of pregnancy
Project/Area Number |
15K20162
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
竹中 慎 昭和大学, 医学部, 助教 (60515211)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胎盤機能 / 母体血中cell-free RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
その後の胎盤機能不全を妊娠初期の母体血を用いて予知すること、さらには胎盤機能不全の機序解明につながる知見を得ることを目的に本研究を実施した。 妊娠初期に血液を採取・保管し、かつ、その後の妊娠経過・予後を確認できた症例のうち、主な原因は妊娠初期の胎盤形成不全であると考えられている、妊娠高血圧症候群および胎児発育不全をのちに発症した妊婦は13名であった。内訳は、妊娠高血圧症候群7例(妊娠高血圧腎症2例、妊娠高血圧症5例)、胎児発育不全は6例であった。母児ともに妊娠経過は異常なく正常分娩と至った症例のなかから、年齢、経産の有無、分娩週数の一致する症例を1:3マッチでコントロールとして選出し、本研究を実施した。血漿からcell-free RNAを抽出しcDNA化したのちにPCR法で各遺伝子のmRNA量を測定し、のち妊娠高血圧症候群もしくは胎児発育不全を発症した症例とコントロールとで比較した。本研究でターゲットとした遺伝子は、既存の研究により血清中蛋白濃度において妊娠高血圧腎症の発症予知マーカーとなりうると報告されている遺伝子(ENG、FLT1、PGF、PAPPA)と、我々が以前、胎盤の形成・成熟に伴うエピゲノム変化を確認する目的で実施した研究で、のちに妊娠高血圧腎症を発症する症例の胎盤において妊娠初期の時点ですでに遺伝子発現が異なる可能性が示唆された遺伝子群(HOXC4、NCOR2、MAD1L1)である。のちに妊娠高血圧症候群を発症した群と正常経過群を比較した結果、いずれの遺伝子においても有意差は認めなかった。一方、のちに胎児発育不全を発症した群と正常経過群を比較した結果、HOXC4において有意差を認め、胎児発育不全発症群ではmRNA濃度が有意に高値であった。 妊娠初期の母体血漿中HOXC4 mRNA濃度は胎児発育不全の発症予知マーカーとなる可能性が示唆された。
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