2016 Fiscal Year Research-status Report
19番染色体マイクロRNAクラスタに着目したトロホブラスト形成の機構解明
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15K20164
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
倉品 隆平 日本医科大学, 医学部, 助教 (50409158)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胎盤 / トロホブラスト / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNA(以下,miRNA)は,直接には遺伝情報をコードしないnon-codingRNA の一つで,転写後調節因子として重要な働きを持つとされる.C19MC(19番染色体特異的マイクロRNAクラスタ)は,霊長類のみに存在し,19番染色体のわずか100kB余の塩基上に存在して,46個の,いずれも胎盤に特異的に発現するマイクロRNAをコードするユニークな存在とされる. 本科研費研究課題では,C19MC-miRNAに着目してトロホブラストがシンシチウム化する際(胎盤が構築される際の重要な課程に相当する)の分子機構を解明し,妊娠におけるC19MC-miRNAの役割の一端をつきとめて,妊娠維持や異常妊娠病態解明につなげたいと考えている. 初年度,ヒト絨毛癌細胞株BeWoを培養,フォルスコリンを添加して,実験的シンシチウム化モデルを作成後にmiRNAアレイ解析を行い実験的シンシチウム化の過程で生じるC19MC-miRNAの発現とその変化をマイクロRNAアレイを用いてプロファイリングした. 研究2年目の本年度は,初年度に引き続き,正常妊娠満期帝王切開胎盤から得た絨毛細胞より初代培養を繰り返し行い,細胞株BeWoと同様にフォルスコリン添加して同様の実験を行いプロファイリングした. プロファイリングから見出したC19MC-miRNAから,In Silico解析によりターゲット遺伝子候補を同定中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定帝王切開胎盤から胎盤栄養膜を抽出して行っている初代培養について,実験条件の設定に再検討を要したため,追加実験に時間を要した.結果がin silico解析に影響しており,in silico解析についてパスウェイ解析を加えて再検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
精度の高いC19MC-miRNAのプロファイリングから,ターゲット遺伝子候補を得た後,当該の遺伝子について,強制発現/発現抑制実験へと展開して,C19MC-miRNAのプロファイリング変化を観察したいと考えている.
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Causes of Carryover |
アレイ関連試薬を必要最小限としたため,初年度購入資材により実験遂行が可能であった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,遺伝子導入が加わる予定であり,研究予算は順調に使用されると予定である.
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