2015 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部悪性腫瘍に対するpoly-ICと抗PD-L1抗体を併用した免疫療法の開発
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15K20172
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
長門 利純 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80431419)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 頭頸部悪性腫瘍 / 癌免疫療法 / 免疫アジュバント / 免疫チェックポイント |
Outline of Annual Research Achievements |
Balb/cマウス由来扁平上皮癌細胞株を多施設より供与して頂き、細胞表面上のMHC class I, IIおよびPD-L1の発現をフローサイトメトリーにて確認した。同時に、培養液中にIFN-gammaを添加し、その有無によってMHCやPD-L1の発現に変化が認められるかどうかも併せて検討した。実際にマウス扁平上皮癌細胞株をマウス皮下に移植し、腫瘍が形成されることを確認するとともに、摘出腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋切片を作製し、病理組織学的に扁平上皮癌であることを確認した。また、上記と同時進行で、頭頸部悪性腫瘍患者(頭頸部扁平上皮癌や鼻性NK/T細胞リンパ腫など)の臨床データをまとめ、生検および手術材料のホルマリン固定パラフィン包埋組織を用いてPD-L1およびPD-1の発現を免疫組織化学染色により検討した。 今後は、上記マウスモデルを用いてPoly-ICと抗PD-1/PD-L1抗体の単独治療および併用治療の抗腫瘍効果を比較し、抗腫瘍効果が認められた場合にはそのメカニズムを詳細に検討する予定である。時間に余裕があれば、Balb/c以外のマウス由来扁平上皮癌細胞株を入手し、複数のマウスモデルを作製できればよいと考えている。さらに、頭頸部悪性腫瘍患者組織におけるPD-L1およびPD-1の発現検討を継続するとともに、MHC分子などのその他の免疫関連分子の発現も検討し、相互の因果関係および病期分類や予後などとの関連を調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス扁平上皮癌細胞株を用いたマウス皮下腫瘍モデルの作製に時間を要したため、当初の計画よりも遅れている。ただ、次年度に行う予定であった頭頸部悪性腫瘍患者組織を用いた検討を同時進行で行い、ある程度のデータの蓄積が得られているので、「やや遅れている」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス扁平上皮癌細胞株を移植したマウス皮下腫瘍モデルを用いて、Poly-ICと抗PD-1/PD-L1抗体の単独治療および併用治療の抗腫瘍効果を比較し、抗腫瘍効果が認められた場合にはそのメカニズムを詳細に検討する。 また、頭頸部悪性腫瘍患者組織におけるPD-L1およびPD-1の発現検討を継続するとともに、MHC分子などのその他の免疫関連分子の発現も検討し、相互の因果関係および病期分類や予後などとの関連を調べていく。
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Causes of Carryover |
マウス扁平上皮癌細胞株を移植したマウス皮下腫瘍モデルの作製に時間を要したため、poly-ICと抗PD-1/PD-L1抗体を用いた実験がまだ行われていないことが、次年度使用額が生じた理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Poly-ICや抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体などの購入費、抗腫瘍効果のメカニズムを解析するための試薬購入費や物品費として翌年度請求分と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(1 results)