2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K20175
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 怜吉 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30645742)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内耳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き胎児マウスに対する音響負荷の影響について、電気生理学的並びに組織学的に検討を行った。 昨年度の結果を踏まえ、胎生期16日目での結果についてさらに追加して詳細な検討を試みた。方法は、当科にて保有している音響負荷装置を用いて、octave of band noise (8-16 kHz)にて音響負荷を2時間与える条件で行った。昨年度は28日目でのみ検討を行ったが、経時的な変化を見るために、生後7日目並びに生後14日目でも検討を行うこととした。生理学的検討として、ABRを用いた測定並びにDPOAEでの測定も試みた。また、組織学的検討として、HE染色での蝸牛有毛細胞数のカウント並びに、Phalloidin染色にて内耳外有毛細胞並びに内耳内有毛細胞のカウントを行った。 結果は、28日目の結果を同等で、ABRでは16日目で最も大きな影響を受けていた。DPOAEの測定はうまく測定が出来ず、検討を断念した。ABRの閾値上昇は音響負荷音圧依存性であった。また組織学的検討としてのHE染色での蝸牛有毛細胞数のカウント並びに、Phalloidin染色にて内耳外有毛細胞並びに内耳内有毛細胞のカウントでは有意な細胞数の減少は認められなかった。さらに近年注目されている蝸牛シナプス数の検討を試みたが、技術的な困難さからうまく測定が出来なかった。これらの結果は、英文査読誌に投稿準備を行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の当初の目的である胎生期での音響負荷による蝸牛機能の影響は明らかになりつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果を踏まえて、分子生物学的手法も取り入れ、さら詳細な検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりマウス購入費が減少したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に動物ならびに試薬を追加購入する予定であり、そのための経費として使用する。
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