次世代シークエンサー、マイクロアレイを用いた頭頸部多段階発がん機構の解明

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K20176
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 佐藤 亜矢子 (中目亜矢子) 東北大学, 大学病院, 助教 (00737736)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 頭頸部がん / トランスレーショナルリサーチ / 多段階発がん / 遺伝子 / ゲノム変異

Outline of Annual Research Achievements

本邦の悪性腫瘍の5%を占める頭頸部がんにおいて、その診断的価値のある腫瘍マーカーは皆無の状態であり、診療に有用な腫瘍マーカーの検出は重大な研究テーマとなっている。頭頸部がんはその90%が扁平上皮癌であり、前がん病変の一つとして、白斑症、紅斑症が知られているが、これらの将来の癌化を予測するマーカーは知られていない。その一方で、頭頸部外科日常診療において、正常粘膜から白斑症などを経由して浸潤癌病変に至るまで、同一症例において頭頸部多段階発がんと考えられる症例の診療機会は多い。そこで、今回、臨床サンプルを用いたトランスレーショナルリサーチにて、頭頸部発がん予測診断、予後診断に有用なマーカーについての研究を行っている。
東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科を受診し、研究に対する同意が得られ、同科にて手術を行った症例から、頭頸部癌検体および白斑症または紅斑症組織、正常粘膜、血液の採取を行い、病理組織検査も施行した。
年度の前半は、前年度までと同様の頭頸部がん患者からの検体の収集および蓄積を行った。またそれと同時に、病理学的検討、遺伝子解析を施行した。
また、日本癌治療学会アップデート教育コースおよび頭頸部外科学会主催教育セミナーに参加し、情報収集を行った。
年度の後半は、研究者が産前産後の休暇および育児休業を取得したため、研究を中断した。そのため、さらなる症例の蓄積・解析およびその結果の検討は、次年度以降に持ち越すこととなった。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年までと同様、律速段階であるサンプル収集を行っている。
年度の後半は、研究者の産育休のため、研究を中断した。そのため、さらなる症例の蓄積・解析およびその結果の検討は、次年度以降に持ち越すこととなった。

Strategy for Future Research Activity

サンプル採取を進めながら、DNAおよびRNAの抽出、抽出した検体を用いての解析を行う。
また、予後診断に有用なマーカーの候補として抽出された遺伝子の候補について、詳細な解析をおこなう。

Causes of Carryover

（理由）
サンプル収集および解析を進めているが、今後さらなる検証・解析が必要である。また、研究者が、産休および育休を取得したため、本年度の後半は研究を中断した。そのため、次年度以降に持ち越すことになった。
（使用計画）
さらなるサンプルの蓄積を継続する。候補としてあがった遺伝子について、検討をすすめるため、解析を行う。